- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

国内線普通席も電源コンセント完備 特集・ANA A321neoに乗ってみた

 国内の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)が初めて運航を始めたエアバスA321neoが、9月12日で就航から1周年を迎える。同社の国内線機材では初めて、全席にタッチパネル式個人用モニターを設置。普通席にも電源コンセントや充電用USB端子も備え、機内インターネット接続サービスに対応するなど、今後の機内サービスで求められるものが、一通りそろっている印象だ。

全機が国内線を飛ぶANAのA321neo=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 座席数は2クラス194席で、プレミアムクラス8席と普通席186席。1列あたりの座席配列は、プレミアムクラスが2席-2席、普通席が3席-3席となっている。メーカーはプレミアムがレカロ製、普通席がゾディアック・エアロスペース製で、プレミアムは国際線に投入しているA320neoと同じシートで、リクライニングが電動となっている。

 シートピッチはビジネスが50インチ(127センチ)で、エコノミーが31-32インチ。機内エンターテインメントシステム(IFE)は、A320neoとともにANAでは初採用となったゾディアック製「Rave」で、タッチパネル式の個人用モニターはプレミアムが12インチ、普通席が10インチとなっている。

 2種類から選べるエンジンは、米プラット・アンド・ホイットニー製PW1100G-JMを選定。エアバスがPW1100Gを搭載したA321neoを引き渡したのは、ANAが初めてだった。

A321neoの機内で飲み物をサービスするANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着したANAのA321neoの7号機JA137A=18年8月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 以前リポートしたA320neoと同様、機内は離陸時を含めてエンジンの静かさが印象的だ。着陸時にスラストリバーサー(逆推力装置)を使用した際の音も、従来機と比べると気にならない程度だった。

 プレミアムクラスはA320neoのビジネスクラスと同じシートで座り心地が良く、国内線でもゆったり過ごせる。

 テーブルは大型のものを採用しているので、折りたたんだ状態でも使いやすい広さだ。広げた状態にすると、13インチのMacBook Proを置いても十分余裕がある。

 電源コンセントは、110V/60Hzの3芯のものが各席のセンターコンソールに1つずつあり、その上に充電用USB端子が設けられている。

 普通席もシート下にコンセントがあるので、ノートパソコンで作業する際も、バッテリーの残量を気にせずに使える。特にカフェにコンセントがあるとは限らない地方都市へ出向く際は、機内でバッテリーを使わずに済むのが心強い。一方、プレミアムクラスと比べると、テーブルは13インチクラスのノートパソコンを使用すると、ギリギリの大きさだと感じた。

 充電用USB端子は、普通席ではモニター下となり、機内では特に案内がなくても利用している乗客の姿が目に付いた。

 ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、A321neoを22機発注。すべて国内線仕様で、2023年度までに受領する。8月30日には7号機(登録番号JA137A)が羽田に到着して7機体制となり、2018年度内に11機がそろう計画だ。A321ceo(A321従来型)と共通運用のため、予約段階で便を特定することは難しいが、徐々に搭乗するチャンスは増えていると言えるだろう。

*写真は28枚(プレミアムクラス→普通席の順)。

A321neoのプレミアムクラス

ANAのA321neoのプレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoのプレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoのプレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoのプレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoのプレミアムクラスに備えられた電源コンセント=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoのプレミアムクラスに備えられた電源コンセント=17年10月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoのプレミアムクラスのテーブルに置いた13インチのMacBook Pro=17年10月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoのプレミアムクラスのコントローラー類=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoのプレミアムクラスに設けられた個人用モニター=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの普通席

ANAのA321neoの普通席=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoの普通席=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoの普通席に備えられた個人用モニター=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoの普通席=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの普通席のテーブルに置いた13インチのMacBook Pro=17年10月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの普通席のテーブルに置いた13インチのMacBook Pro=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA321neoの普通席に設けられた電源コンセント=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの後方ギャレーで飲み物を用意するANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの機内で飲み物をサービスするANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの機内で飲み物をサービスするANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの機内で飲み物をサービスするANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの機内で飲み物をサービスするANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの機内で飲み物をサービスするANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの後方ギャレーでカートをしまうANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A321neoの後方ギャレーでカートをしまうANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

2クラス194席となるANAのA321neoは客室乗務員が4人乗務する=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸 [1]
Airbus [2]
エアバス・ジャパン [3]

A320neo ビジネスクラスの搭乗記
座り心地の良さと静かさ実感 特集・ANA A320neoビジネスクラスに乗ってみた [4](17年9月18日)

写真特集・ANA A321neo初号機
機内編 各席に個人モニターや電源装備 [5](17年9月10日)
外観編 低燃費大型エンジンは直径2メートル [6](17年9月10日)

ANAのA321neo
ANA、A321neo国内初就航 電源と個人モニター装備 [7](17年9月12日)
ANA、A321neo初号機受領 9月中旬から国内線 [8](17年9月7日)
ANA、777-9XとA321neoなど70機正式発注 16年度から受領 [9](14年7月31日)
ANA、777-9XとA321neoなど70機発注 過去最大の投資規模 [10](14年3月27日)

ANAのA321ceo
ANA、A321ceo初号機が羽田到着 上級クラスに電動新シート [11](16年10月31日)

写真特集・ANA A321ceo国内線仕様
前編 電動シートのプレミアムクラス [12](16年11月17日)
後編 初号機はハンブルク製 [13](16年11月18日)

ANAのA320neo
ANAのA320neo、国際線に初就航 成田から上海へ [14](17年1月23日)
ANA、日本初のA320neo就航 羽田から関空、1月から国際線 [15](16年12月26日)
ANA、日本初のA320neo羽田到着 大型機並み装備、1月から国際線 [16](16年12月17日)
ANA、A320neo初号機を受領 1月から近距離国際線 [17](16年12月16日)

写真特集・ANA A320neo初号機就航
第1回 大型機並み装備のビジネスクラス [18](16年12月27日)
第2回 狭小空間生かしたギャレーと化粧室 [19](16年12月29日)
最終回 新型エンジンで低燃費低騒音 [20](16年12月30日)

写真特集・ANA A320neo初号機(羽田到着時)
前編 近距離ビジネスも電動シート [21](16年12月18日)
後編 小型機だけど大型低燃費エンジン [22](16年12月20日)