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エアバス、Cシリーズでボンバルディアと提携 事業会社に50%超出資

 エアバスとボンバルディアは現地時間10月16日、ボンバルディアの小型旅客機「Cシリーズ」について、パートナーシップ締結の同意書を交わしたことを発表した。ボンバルディアと加ケベック州政府が出資するCシリーズの事業会社「CSALP」へ50%以上出資するほか、エアバスのアラバマ工場でもCシリーズを製造する。

エアバスと提携するCシリーズ=15年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 CシリーズはCS100(108-135席)とCS300(130-160席)の2機種で構成。2機種の部品は99%共通化しており、パイロットは同じライセンスで操縦できる。

 従来の同クラス機と比べて燃費を20%、運用コストを乗客1人あたり15%抑え、二酸化炭素(CO2)排出量は20%、窒素酸化物(NOx)排出量は50%削減できるとしている。静粛性の高さや窓の大きさ、シートの幅の広さ、大型の手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)などが特長となっている。

 エンジンは、米プラット・アンド・ホイットニー(PW)社製GTF(ギヤード・ターボファン)エンジン「PurePower PW1500G」を搭載。PWのGTFエンジンは、三菱航空機が開発中の「MRJ」や、エンブラエルの「E2シリーズ」も採用している。

 Cシリーズがカバーする100-150席クラス機の市場は、今後20年間に6000機以上の新造機需要があると、両社では予測している。

 一方、エアバスは従来のA320ファミリーでは最小となるA318(最大1クラス132席)と同じサイズの機体を、後継のA320neoファミリーでは製造しない。競合のボーイングも、これまでの737NG(次世代737)ファミリー最小の737-600(1クラス132席)の後継機を、737 MAXファミリーでは用意していない。

 エアバスとボンバルディアは、100-150席クラスはCシリーズ、150-240席クラスはA320neoファミリーと住み分けを図り、エアバスは自社で製造していないクラスの単通路機市場を、Cシリーズで補完していく。

 提携により、ボンバルディアとケベック州政府が出資するCシリーズの製造や販売を担う事業会社CSALP(the C Series Aircraft Limited Partnership)に、エアバスが出資。ボンバルディアが50.5%、ケベック州投資公社(Investissement Quebec)が49.5%出資しているが、契約締結後はエアバスが50.01%出資して株式を取得し、ボンバルディアが約31%、IQが約19%を保有する構成になる。

 また、Cシリーズの製造コストをエアバスのサプライチェーンマネジメントで抑え、アラバマ州モビールにあるエアバスの工場に2番目の最終組立ラインを設ける。

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Airbus [1]
エアバス・ジャパン [2]
Commercial Aircraft [3](Bombardier)

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