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ホンダジェットのエンジン、EASAの型式認定取得へ

 GEホンダ エアロエンジンズ(GEホンダ)は現地時間5月18日、ターボファンエンジン「HF120」の型式認定取得をEASA(欧州航空安全局)に届け出たと発表した。取得は2015年第4四半期の見込み。

EASAに型式認定取得を届け出たHF120(ホンダ提供)

 同社の認定サービス拠点として、マーシャル・アビエーション・サービス(Marshall Aviation Services、英・バーミンガム)の追加も同時に発表した。GEホンダは、タグアビエーション(TAG Aviation、英)とラインランド・エア・サービス(Rheinland Air Service、独)も認定サービス拠点としている。

 HF120は2015年3月、FAA(米国連邦航空局)の製造証明(PC)を取得。FAAがジェットエンジンに対しPCを授与するのは23年ぶり。型式証明(TC)は2013年12月に取得している。

 同エンジンはホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が開発中の小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」に搭載するもので、ホンダとゼネラル・エレクトリック(GE)が共同開発。低燃費、耐久性、低騒音、低エミッションで、定格推力2095ポンド。一体型ファンローターやカーボンコンポジット製の軽量なガイドベーンなどの特長がある。

 これまでの試験で、計13基のエンジンによる広範囲な飛行試験と地上試験が実施され、1万4000サイクル、9000時間を超える実績を積み重ねてきた。エンジンの組み立てはマサチューセッツ州リンにあるGEの工場で量産を立ち上げ、2014年11月、ノースカロライナ州バーリントンのHAIの工場へ移管した。営業やカスタマーサポートはGEホンダが引き続き担当する。

 HF120を搭載した量産型ホンダジェットは、2010年12月に初飛行に成功した。2015年4月から、米国以外での公開は初めてとなるワールドツアーを実施。日本を含む13カ国に飛来するもので、量産16号機(登録番号N420HE)が4月23日、羽田空港に到着した。25日に羽田空港の格納庫でメディア向けに公開後、25日に仙台空港、26日に神戸空港、29日に熊本空港、5月2日から3日までは岡山市の岡南飛行場で、4日には成田空港でデモ飛行や見学会を実施し、空港を訪れた多くの人を魅了した。

 ホンダジェットは主翼上に配された低騒音エンジンや複合材を使った胴体、標準仕様で乗客4人が乗れるゆったりとした客室などが特徴。パイロット1人でも運航できる。

 これまでに100機以上を北米と欧州で販売。3月にFAAの事前型式証明(PTC)を取得しており、顧客への引き渡しも間近に迫っている。主に個人や企業の自家用機として、購入されているという。

 GEホンダは本田技研工業(7267)の米国子会社ホンダ エアロ(HAI)とGEの折半出資子会社。

関連リンク
GE Honda Aero Engines [1]
HondaJet [2]
Europian Aviation Safety Agency [3]
Marshall Aviation Services [4]

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