日本航空(JAL/JL、9201)は6月12日、5月に起きた客室乗務員の飲酒問題で、当該客室乗務員2人を処分した。先任客室乗務員(チーフキャビンアテンダント)だった50代女性社員Aを懲戒解雇、一緒に飲酒していた客室乗務員の30代女性社員Bを停職処分とした。いずれも社内規定に沿った処分となる。

飲酒問題を起こした先任客室乗務員を懲戒解雇したJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今回の飲酒問題は、5月23日の広島発羽田行きJL252便(ボーイング767-300ER型機、登録記号JA613J)に乗務予定だった客室乗務員2人が、乗務前日に同社の運航規程で定める飲酒規定に違反して飲酒したもの。社員Aから社内検査の「事前検査」でアルコールが検知され、乗務を取りやめた。乗務員交代に時間がかかり、JL252便は42分遅延した。
飲酒の場に参加していなかった同乗予定の客室乗務員たちは、社員Aに対して事前検査を実施するよう再三指摘したが、社員Aは未実施のまま空港へ向かった。国土交通省航空局(JCAB)は、組織としてこの状況を把握できず、乗務可否を速やかに判断できなかったとして、JALの安全管理システムが十分に機能していたとは言えないと指摘している。
懲戒解雇となった社員Aは、客室の責任者を務める立場にあった。停職処分となった社員Bは「リードキャビンアテンダント」で、先任客室乗務員の一つ手前の職位にあたり、各クラスの責任者などを務める立場にある。
2人は昨年度同じグループで乗務しており、今回は久しぶりに同じ便に乗務する予定だった。JALが12日に明らかにした時系列によると、社員Bは22日午後5時ごろ、社員Aは同5時30分ごろにホテルのラウンジで飲酒を始めた。運航規程上の飲酒禁止制限時刻は、JL252便の出頭時刻の12時間前にあたる同6時40分だったが、2人は同時刻以降もラウンジで飲酒を継続。社員Aは同9時30分ごろに自室へ戻り、社員Bは同9時ごろにいったんラウンジを出て空港のコンビニへ行った後、同9時30分ごろにラウンジへ戻って最後にビールを注ぎ、同10時ごろに自室へ戻った。
翌23日の出社前検査では、社員Aが午前5時45分に呼気1リットルあたり0.23ミリグラムを検知したが、会社へ報告しなかった。社員Bも同5時50分に0.09ミリグラムを検知し、同6時10分に体調が乗務に適さない旨を当直へ連絡した。社員Aは同6時40分の事前検査で0.11ミリグラムを検知し、午前6時59分から7時2分の再検査でも0.10から0.13ミリグラムを継続して検知した。

JALが実施している客室乗務員のアルコール検査(同社資料から)
国交省は12日、JALに対し行政指導の「厳重注意」を行い、7月17日までに再発防止策を報告するよう指示した。国交省は、規定違反の隠ぺいを認定し、安全管理システムが十分に機能していなかったと指摘している。
JALは同日、役員処分として鳥取三津子社長ら全役員の報酬減額も決めた。鳥取社長は月額報酬30%を2カ月減額し、安全統括管理者の中川由起夫・取締役常務執行役員と、客室本部長の中野淳子・執行役員は月額報酬20%を1カ月減額する。
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