羽田空港のターミナルを運営する日本空港ビルデング(9706)は、日本航空(JAL/JL、9201)などが乗り入れる第1ターミナル(T1)の国際化に向けた検討を本格化させた。3つあるターミナルのうち、第3(旧称国際線、T3)ターミナルと、全日本空輸(ANA/NH)などが乗り入れる第2ターミナル(T2)には国際線が発着しており、国の整備事業と連携する形で、早ければ2030年代の実現を視野に入れたものだ。

国際化検討が本格化する羽田第1ターミナル=26年2月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・アクセス線契機に機能強化
・中期計画初のT1国際化言及
アクセス線契機に機能強化
国土交通省航空局(JCAB)は、T1とT2を南側に人工地盤を整備して接続する計画を進めており、早ければ2030年代前半に羽田の利便性向上を図る。背景には、都心と羽田を結ぶJR東日本(東日本旅客鉄道、9020)の「羽田空港アクセス線(仮称)」が2031年度に開業を計画しており、T2の国際線施設も増改修を実施する。
T1では、北側サテライトの建設が進んでおり、今年夏ごろの供用開始を予定。PBB(搭乗橋)を備えた6スポットを新設する。T1は1993年9月に開業してから30年以上が経過しており、北側サテライトの供用後、本館側のエプロン改修を計画している。
T2も、北側サテライトの機能拡充が進む。T2は2004年12月に本館、2018年12月に北側サテライトが開業し、2025年3月には本館とサテライトを結ぶ接続部が供用を始めた。現在はサテライトを北側へさらに延伸する工事を進めており、2027年春ごろの開業を予定している。
中期計画初のT1国際化言及
T1とT2を接続するための人工地盤整備については、国交省が2022年度から検討に着手。首都高湾岸線上に人工地盤を構築した上で、両ターミナルを結ぶコンコースを整備することで、空港利用者が両ターミナルを往来できるようにするほか、航空機のタキシング(地上走行)距離の大幅短縮や、A滑走路(RWY16R/34L)を航空機が横断することによる非効率性の改善など、発着回数の増加により顕在化している空港運用上の課題解決を図る。国交省は基本設計を年末までに終え、着工に向けた準備を進める。

羽田第1・第2両ターミナルを結ぶ人工地盤のイメージ(国交省の資料から)

羽田空港の第1ターミナル(左)と第2ターミナル=26年2月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
T1への国際線乗り入れは、これまでも空ビルの社内で検討が重ねられてきたが、5月8日に発表した2026-2030年度の中期経営計画で、T1国際化に中経では初めて言及。空ビルは「T1の国際化等については、現時点で明確に決まってはいないが、当然そうした事態にも対応できるよう、当社としては今後のプランの1つとして検討を続け、国を始めとした関係者と協議を行い推進して参りたい」とコメントした。
羽田空港は、国際線発着枠が上限水準に達している。訪日需要は増加が見込まれる反面、国内線は人口減少とともに需要が減退する見通しであることから、羽田の機能強化により、全国各地への送客を強化する狙いがある。

羽田空港第1ターミナル北側サテライト施設のイメージ(日本空港ビル提供)

第2ターミナル北側のサテライトを延伸する羽田空港(国交省の資料から)
関連リンク
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