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T-7A、米空軍が初期生産承認 T-38後継練習機を14機契約へ

 米空軍は現地時間5月4日、次期高等練習機T-7A「レッドホーク」の初期生産を承認したと発表した。老朽化した練習機T-38「タロン」の後継で、2027年から置き換え開始を見込む。ボーイングとの間で、最初の14機と予備品、支援機材、訓練を含む2億1900万ドルの契約を進める。

初期生産が承認された米空軍の次期高等練習機T-7A(同軍提供)

 今回の初期生産は、4月23日に生産移行の節目となる「マイルストーンC(Milestone C)」を承認したことを受けたもの。T-7Aは2027年の初期運用能力(IOC)獲得を目指しており、全体計画では今後10年で351機と、地上訓練シミュレーター46基を航空教育・訓練軍団(AETC)の5基地へ配備する。

 今回の承認は、米空軍、AETC、ボーイングが共同で進めるリスク管理重視の取り組みを経て実現した。プログラム面と運用面のリスクを抑えつつ、必要な能力を迅速・安全に提供する。

 T-7Aプログラムでは、段階的な生産承認を採用。最初の3つのLRIP(低率初期生産)ロットについて、それぞれ個別に承認を求める方針で、開発試験やプログラムの進捗を反映しながら、後続ロットへ進む前に並行開発リスクを管理する。

初期生産が承認された米空軍の次期高等練習機T-7A(同軍提供)

 T-7Aは、全面的なデジタル手法で設計・製造された初の米空軍機。開発、生産、維持のプロセス合理化を図るとともに、第4、第5、第6世代の戦闘機や爆撃機へ移行するために必要な技能を、学生パイロットが習得できるようにする。1959年に初飛行したノースロップ・グラマン(当時ノースロップ)T-38の後継機で、2019年9月にT-7「レッドホーク」と名づけられ、米空軍には2023年9月15日に初納入された。

 エンジンは単発ながら双発のT-38Cと比べて推力は約3倍。近年の戦闘機と同じ垂直尾翼が2枚の「ツインテール」を採用して全高を抑えた。コックピットは教官が座る後席を前席よりやや高い位置に配した「スタジアムシーティング」とすることで視界を確保している。地上とのデータリンクやキャノピーを横開きにするなど、T-38を使う教官の声を開発に反映し、製造コストを抑えた。

 米空軍は今後、技術・製造開発(EMD)フェーズの完了と、初期の教官・整備士チームの支援を進める。

初期生産が承認された米空軍の次期高等練習機T-7A(同軍提供)

初期生産が承認された米空軍の次期高等練習機T-7A(同軍提供)

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U.S. Air Force [1]
Boeing [2]
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