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「変わらなくては未来ない」航空各社、国内線需要創造へ若手が議論 定航協が初会合

 日本航空(JAL/JL、9201)や全日本空輸(ANA/NH)など国内の航空各社が加盟する業界団体「定期航空協会(定航協、鳥取三津子会長)」は4月6日、国内航空の新たな需要創造ワークショップの第1回会合を羽田空港で開いた。少子高齢化による人口減少や、コロナを経てリモートワークが定着し、国内線需要の構造が変わる中、企業の垣根を越えて新たな需要の掘り起こしを図る。国内線を就航する加盟各社の若手を中心に、半年程度かけて施策を取りまとめる。

—記事の概要—
年間新規利用3000万人
FDA本田社長「変わらなくては未来ない」

年間新規利用3000万人

 プロジェクトは「ライフスタイルの変革(二地点居住・地方創生)」と、「ユニバーサル・ツーリズムの加速(シニア・バリアフリー)」の2テーマで進める。午前のライフスタイルの変革には14社21人、午後のユニバーサル・ツーリズムの加速には午前の14社のうち11社から17人が参加した。

定航協が初開催したワークショップで講演するFDAの本田社長=26年4月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 定航協の吉田秀彦事務局長によると、こうした議論は各社の事業戦略が絡むこともあり「『前例のない難局を業界全体で乗り越える』というスローガンのもと、初めて開催した」と説明。各社の自助努力とは切り離し、航空というカテゴリー全体の裾野を広げることが目的だとした。今後は5月に第2回を予定しており、その間もグループごとに議論を進め、半年程度でアウトプットを目指す。

 国内線の利用者は、年間で延べ1億1000万人規模だが、リピーターを除いた「ユニークユーザー」は推計で3000万人程度にとどまるという。吉田氏は「まだまだ本当の新規でお乗りいただいたことがないお客さまがいらっしゃる」と述べ、航空需要の裾野を広げる余地があるとの見方を示した。

FDA本田社長「変わらなくては未来ない」

 講演したフジドリームエアラインズ(FDA/JH)の本田俊介社長は「いま本当に大転換の時で、変わらなくては未来がないという気持ちで取り組んでほしい」と訴え、「人を運ぶ会社から、需要を作る会社に変わっていただきたい」と呼び掛けた。業界としての協調と競争を意識しながら、日本の需要を一緒に作るという上位概念を共有する必要があるとした。

 本田氏はJALで国内線事業に長らく取り組み、国内路線事業本部長やコロナ影響下では地域と協業していく地域事業本部長などを歴任。2023年4月から2025年3月まではJALグループで伊丹空港を拠点とするジェイエア(JAR/XM)の社長、FDAの社長には2025年6月に就任した。

 ユニークユーザーが3000万人程度の規模にとどまる点について「1.5倍になってもおかしくない」とポテンシャルに言及した。一方で、機材費が毎年5%程度上昇していることに加え、為替が1ドル115円から160円近くまで円安に振れ、燃油高も経営を圧迫していると指摘。「客数自体は増えていても、経営が成り立たなくなる可能性がある」として、業界再編を含む複数のシナリオも想定していく必要があるとの認識を示した。

 吉田氏は、国のあり方研究会などの政策議論とは別に「まずは業界として新たな裾野を広げる余地がないのか、知恵を出し合いたい」と強調。国の補助金などを頼る前に、まずは業界や個社の自助努力で人口減少や需要構造の変革への対策案を模索していく。

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