シンガポール航空(SIA/SQ)系LCCのスクート(TGW/TR)は現地時間3月1日、シンガポール-羽田線を週7往復(1日1往復)で開設した。2日深夜に羽田へ初便が到着した。

羽田空港を出発するスクートのシンガポール行き初便TR883便(同社提供)
—記事の概要—
・深夜に羽田発着
・成田から都心も交通費かかる
・Wi-Fiサービスの今後は?
深夜に羽田発着
羽田線の運航スケジュールは、羽田行きTR882便がシンガポールを午後5時30分に出発し、翌日午前1時着。シンガポール行きTR883便は午前2時15分に羽田を出発して、午前8時30分に到着する。

羽田に就航したスクート(同社提供)
シンガポール発初便の羽田行きTR882便(787-8、登録記号9V-OFC)は、2日午前1時4分に第3ターミナル149番スポットへ到着。折り返しのTR883便は午前2時22分に出発した。機材は787-8の2クラス335席仕様(スクートビズ21席、エコノミー314席)が投入された。
スクートは2012年6月4日に運航を開始し、初の日本路線となるシンガポール-成田線は同年10月29日に就航。その後、2015年7月8日に関西線、2016年10月1日に札幌(新千歳)線、2025年12月15日に那覇線を開設しており、羽田は5番目の就航地となった。この間、2017年7月25日に同じくシンガポール航空傘下のLCC、タイガーエアと合併している。
成田から都心も交通費かかる
都内で2月27日に会見したスクートのカルヴィン・チャンCCO(最高商務責任者)は、「スクートは18カ国・地域の80都市以上に就航している。日本市場は非常に重要視している」と述べ、同社のネットワーク供給量で第3位の規模を誇るという。

スクートのチャンCCO=26年2月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
安武秀敏日本支社長は「羽田就航で、日本路線全体での供給量は週45便(往復)体制になった」と説明。「日本発の旅行需要(アウトバウンド)は大きく成長しており、2024年度の日本発の供給量は前年比プラス4%であったが、実際の旅客数は13%増えた」と、旺盛な訪日需要(インバウンド)に加え、比較的運賃が手頃で短距離となるアジア方面を中心に、日本人の海外旅行需要の取り込みも図る。
シンガポール到着が早朝になることで、シンガポール以遠への乗り継ぎの選択肢が広がる一方、羽田着は終電後となる。安武支社長は「成田空港から都心へ戻る際にも一定の交通費がかかる。最近は乗り合いタクシーもあり、羽田空港からタクシーなどで都心へ向かうコストと時間はある程度リーズナブルで、利用者に受け入れられると考えている」と語った。
Wi-Fiサービスの今後は?
他社との比較では、日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資するZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)がWi-Fi機器による機内インターネット接続サービスを無料提供しており、2月26日からはスペースXの衛星通信「Starlink(スターリンク)」による高速で安定したサービスを無料提供するなど、競争が激化している。

スクートの安武日本支社長=26年2月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
チャンCCOは「スクートの基本モデルは、基本となる運賃を低く抑え、顧客のニーズに合わせてオプションを追加する方式。Wi-Fiもその一環で有料としているが、上級席『スクートプラス』の乗客は無料だ。通信品質の拡充も進めている」と述べた。
今後は競合の動向やコスト抑制などを見極めながら、値下げや無料化などの可能性も検討していくとした上で、「運賃やサービス全体をトータルで見れば、十分に競争力の高いプロダクトを提供できていると考えている」(チャン氏)と語った。
また、親会社のシンガポール航空は、成田から以遠権を行使してシンガポール-成田-ロサンゼルス線を運航し、アジアと日本、北米の3国間流動を取り込んでいる。成田などから北米への以遠権路線を、スクートが開設する可能性について、安武支社長は「新路線は需要の有無だけでなく、シンガポール航空グループ全体のネットワークのシナジーを考慮して検討している。現時点で羽田線以降の具体的な日本路線の新ルートの発表はないが、今後の拡大プランに期待して欲しい」と語った。
運航スケジュール
TR882 シンガポール(17:30)→羽田(翌日01:00)
TR883 羽田(02:15)→シンガポール(08:30)
関連リンク
スクート [1]
・スクート、那覇-シンガポール就航 A321neoで週3往復 [2](25年12月15日)
・スクート、羽田-シンガポール26年3月就航へ 1日1往復 [3](25年8月12日)
・スクート、タイガーエアと合併 新制服導入 [4](17年7月25日)
・スクート、札幌-シンガポール就航 787-8で週3往復 [5](16年10月3日)
・スクート、787-9で関空就航 バンコク経由のシンガポール便 [6](15年7月8日)
・スクート、9月から成田に787 全路線で導入へ [7](15年6月16日)
・LCCスクート、成田-シンガポール線就航 787は14年から [8](12年10月29日)