- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

SkyDriveのeVTOL、ビッグサイトで都内初飛行 ”空飛ぶクルマ”三菱地所や兼松と実証

 東京都、三菱地所(8802)、兼松(8020)、SkyDrive(スカイドライブ)の4者は2月24日、東京ビッグサイトの臨時駐車場で、eVTOL(電動垂直離着陸機)「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」のデモフライトと旅客ターミナルの実証実験を始めた。日本では「空飛ぶクルマ」とも呼ばれるもので、SkyDriveが東京都内で実機のデモフライトを行うのは初めて。

東京ビッグサイトの臨時駐車場へ進入するSkyDriveのeVTOL SD-05=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 会場には、英Skyportsの協力で仮設バーティポートと旅客ターミナルを設置。運用自動化システム「VAS(バーティポート運航自動化システム)」を導入し、チェックインから搭乗までの一連のオペレーション時間を短縮できるか検証する。ターミナルは、縦約7メートル、横約12メートル、高さ約3メートルで、延床面積は約54平方メートル。三菱地所設計が設計し、YADOKARIが施工したトレーラーハウス2基(各17.06平方メートル)とデッキスペース(約20平方メートル)で構成した。

 内部には、顔認証を活用した自動チェックインと保安検査を行う保安エリアや、VASを用いて離着陸場や周辺空域、チェックイン状況などを一元管理するオペレーションルームを設けた。また、空飛ぶクルマに関する展示を行うギャラリーエリア、運航状況を表示するラウンジエリア、デッキエリアなどを備え、一般モニターに旅客動線を体験してもらいながら運用上の課題を洗い出す。

東京ビッグサイト周辺を飛行するSkyDriveのeVTOL SD-05=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

VASでeVTOLの運航を管理する東京ビッグサイトの臨時駐車場に設けられたオペレーションルーム=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 デモフライトに用いるSD-05は、パイロット1人と乗客2人の3人乗りで、機体サイズは全長約11.5メートル、全幅約11.3メートル、高さ約3メートル。最大離陸重量は1400キロで、12基のモーターとローターで飛行する電動マルチコプター型eVTOLとなる。機体は複合材やアルミ合金などで構成し、最高速度は時速100キロ、航続距離は15-40キロを見込む。

 SkyDriveによると、機体は12基のモーターとローターを備え、6基ずつ逆方向に回転させることで機体姿勢を安定させる設計。いずれかのモーターが故障した場合、最大2基まで停止しても残りの10基で飛行を継続できる冗長性を持たせており、バードストライクなどのトラブル時にも安全性を確保できるとしている。

 また、将来の事業モデルについてSkyDriveは、2030年代にはタクシーの2倍以下の運賃で、移動スピードは4-5倍を目標に掲げており、既存のヘリ運航会社や航空会社が運航主体となる姿も描いているという。

東京ビッグサイトの臨時駐車場に設けられたeVTOLの仮設ターミナル=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

東京ビッグサイトの臨時駐車場に設けられた仮設ターミナルで顔認証をデモンストレーションするスタッフ=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

東京ビッグサイトの臨時駐車場に設けられた仮設ターミナルで保安検査をデモンストレーションするスタッフ=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 兼松によると、VASを使った発着処理能力は、離着陸場1カ所と駐機・充電スポット3カ所を備えた施設を前提にシミュレーションした結果として、1時間あたり6回程度の発着が可能との見通しを示した。SkyDriveの2人乗り機を想定した場合、1時間に最大12人が到着し、12人が出発できる計算で、将来的には充電時間の短縮や空域管理の高度化によって発着回数をさらに増やせる余地があるという。

 24日午前には初回フライトが行われ、約300人が見学した。パイロットは乗らず、自動制御とリモート操縦による無人飛行で、時間約3分30秒、距離150メートル、高度13メートルの海上飛行を披露した。離発着場のポートサイズは20メートル四方で、都内にある既存の屋上ヘリポートでも運用可能な機体サイズであることを示した。

 東京都、三菱地所、兼松の3者は、2022年から都心部の新丸ビル屋上と臨海部を結ぶヘリコプターによる移動体験の実証を重ねており、飛行時間よりもチェックインや保安検査など移動前後の手続きにかかる時間が総移動時間を左右するという課題を確認していた。今回の実証では、こうしたオペレーションを自動化・効率化することで、空飛ぶクルマの実用化に必要な地上側の要件を洗い出す狙いがある。

 デモフライトとターミナル検証は28日まで実施し、期間中は午前9時30分と午後0時5分の1日2回を予定する。見学は予約不要で無料。最終日28日の2回目フライト後には、機体に近づいて見学・撮影できる時間も設ける。

東京ビッグサイトの臨時駐車場で離陸を待つSkyDriveのeVTOL SD-05=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

東京ビッグサイトの臨時駐車場で離陸を待つSkyDriveのeVTOL SD-05=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

東京ビッグサイトの臨時駐車場を離陸するSkyDriveのeVTOL SD-05=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

東京ビッグサイトの臨時駐車場を離陸するSkyDriveのeVTOL SD-05=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

東京ビッグサイトの臨時駐車場へ着陸するSkyDriveのeVTOL SD-05=26年2月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
東京都デジタルサービス局 [1]
三菱地所 [2]
兼松 [3]
SkyDrive [4]

国交省、SkyDriveに型式証明の適用基準発行 [5](25年2月11日)
三菱地所、JAL・兼松と空飛ぶクルマ実証実験 都の検証参画、24年度運航実証へ [6](22年8月5日)