偶数年に開催され、今回で10回目を迎えたシンガポール航空ショーが現地時間2月3日、チャンギ空港に隣接するチャンギ・エキシビション・センターで開幕した。ボーイングやエアバスなどの機体メーカーやエンジンメーカーのほか、日本からは防衛装備庁(ATLA)もブースを出展し、日本企業とともに装備品や関連技術を紹介している。

チャンギ・エキシビション・センターで開幕したシンガポール航空ショー=26年2月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
防衛装備庁は、アジア最大級の航空ショーに出展することで、日本の装備品の魅力や高い技術力を官民一体で発信し、諸外国との防衛装備・技術協力の推進につなげる考え。ブースでは装備品そのものではなく、模型やパネルなどを通じて技術やシステムの特徴を説明する。
出展企業は国内外14社・団体。五十音順にIHI(衛星コンステレーション)、インダストリーネットワーク(X翼型固定翼垂直離着陸ドローン)、AirKamuy(段ボール固定翼ドローン)、エイビット(小型合成開口レーダーシステム)、エッジコーティックス(エッジAIアクセラレータ)、JX金属/TANiOBIS(高耐熱性3Dプリンティング用金属粉)、スカパーJSAT(次世代衛星サービス)、東京計器(DAPDNA搭載AIカメラ)、東芝(レーダーモジュール)、トヨコー(クーレーザー)、Prodrone(長距離飛行が可能なドローン)、ミツフジ(熱・電磁波シールド素材)、三菱電機アジア/Synspective(衛星データソリューション)、LQUOM(共振器内蔵型量子光源)などが代表的な技術を展示する。

シンガポール航空ショーの防衛装備庁ブースに展示されたAirKamuyの段ボール固定翼ドローン=26年2月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーの防衛装備庁ブース=26年2月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
段ボール固定翼ドローンを手掛けるAirKamuyによると、近隣諸国の軍関係者などがブースを訪れ、熱心に質問していたという。機体は一般的な段ボールでできているが、フィルムで防水コーティングしたり、スーツケースサイズに折りたためるなど、どこでも運用できる構造になっている。現場でセンサーなどを取り付ける際も、機体に開口部を設ける際の公差を大きく取ることで、設計上ベストの性能にはならなくても、運用可能な状態を保てるように作られているという。
民間機によるフライトディスプレー(飛行展示)は、エアバスが大型機のA350-1000型機、中国のCOMAC(中国商用飛機有限責任公司)が小型機のC919型機を出展。一方、777Xを開発中のボーイングは地上展示も含め、民間機は実機の出展を見送り、ブースでの紹介のみとなった。
軍用機は豪州空軍のF-35Aなどが登場。アフターバーナーを使ったハイレートクライムや超低速飛行など、豪快なフライトディスプレーを披露した。
シンガポール航空ショーは、航空宇宙・防衛分野の企業や各国政府・軍関係者が集まり、将来の航空産業や防衛分野の方向性を議論する国際展示会。アジア太平洋地域で開かれる航空ショーでは最大規模を誇り、前回2024年は135カ国・地域から5万人超のトレード来場者が訪れ、世界上位20社の航空・防衛メーカーが参加した。各国の政府・軍高官による約1500件の会談が行われるなど、アジア太平洋地域を中心に航空・防衛市場の動向を占う場となっている。
今回は3日から6日がトレードデーで、週末の7日と8日が一般公開となる。

シンガポール航空ショーで展示飛行を披露するエアバスのA350-1000=26年2月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーで展示飛行を披露するCOMACのC919=26年2月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーで展示飛行を披露する豪州空軍のF-35=26年2月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーで展示飛行を披露する豪州空軍のF-35=26年2月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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