ANAホールディングス(ANAHD、9202)は1月30日、2026-2028年度のANAグループ中期経営戦略を発表し、グループのLCC(低コスト航空医者)であるピーチ・アビエーション(APJ/MM)がエアバスA321XLRを2028年度に導入予定だと明らかにした。世界最長の航続距離を誇り、最大11時間のフライトも可能な国内初導入の機材で、拠点の関西空港を発着する国際線ネットワークを強化し、ANAが未就航の路線開拓につなげていく。

ピーチのA321XLR(イメージ、同社提供)

パリ航空ショーでA321neoとA321XLRをエアバスに正式発注したANAホールディングスの芝田浩二社長(中央左)ら=25年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
A321XLRはA321neoの航続距離を延長した超長距離型で、2019年6月にローンチ。XLR(Xtra Long Range)は「超長距離」を意味し、燃料タンクを増設することで、単通路機では世界最長となる航続距離4700海里(約8704キロ)を実現し、最大11時間の飛行が可能となる。
超長距離路線もカバーできることが売りのA321XLRだが、30日に都内で会見したANAHDの芝田浩二社長は「いきなり長距離は考えていない」と述べ、関空を発着するアジアやオセアニアなどの中距離国際線の開拓にA321XLRを投入していく考えを示した。
すでにピーチは、A321XLRの前身となる長距離型A321LRを3機導入済み。初の中距離国際線は2022年12月27日に開設した関西-バンコク線で、2路線目として関西-シンガポール線が2024年12月4日に就航した。A321LRのシートピッチ(座席間隔)は大手の国内線機材と同等の30-32インチ(約76-81cm)で、従来のA320ceoと比べ最大約10cm広い。

関西発シンガポール行き初便MM773便の機内で「たこ昌のたこ焼」を提供するピーチの客室乗務員=24年12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

足もとが広いピーチのA321LR=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
A321XLRも同じく3機発注しており、当初は2032年度以降を計画していた。関空を拠点としたインバウンドやレジャー需要を取り込む。
一方、ANAグループでは、エアージャパン(AJX/NQ)が運航する自社ブランド「AirJapan」便が、冬ダイヤ最終日の2026年3月28日で運航を休止。LCCによる成田発着の中距離国際線がグループからなくなる。芝田社長は「関空での圧倒的な競争力がピーチの力の源泉だと思う。当然、成田で商機があれば成田でもやる」として、ピーチは当面、関空発着の国際線増強を重視していく姿勢を示した。
ピーチの事業規模(座席キロ)は、2030年度には2025年度計画対比で3割拡大を目指す。
関連リンク
Peach Aviation [1]
A321XLRを国内初導入へ
・ピーチ、A321XLRを国内初導入 世界一遠く飛べる単通路機、A321neoで大型化も [2](25年2月25日)
A321LR
・ピーチA321LR搭乗記 関空-シンガポール、足元広めで6時間半 [3](25年7月27日)
・ピーチ、座席間隔広いA321LR公開 関空-バンコク12/27開設 [4](22年11月9日)
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル [5])
・【足もと広々】ピーチA321LR JA901Pの機内【4K】 [6]