金曜日の仕事を終えてそのまま成田へ向かい、日曜の午後には日本に戻ってくる。それでも世界遺産タージ・マハルまで足を伸ばせる──。日本航空(JAL/JL、9201)が1月17日に開設した成田-デリー線では、そんな「現地0泊インド観光」のモデルプランが特設サイトで紹介されている。成田発JL749便のデリー到着は深夜の午前3時。一見すると観光には扱いづらい時間だが、この運航スケジュールを逆手に取った週末弾丸旅行の提案だ。

成田空港でJALのデリー行き初便JL749便を見送る鳥取三津子社長ら。デリーには午前3時に着く運航スケジュールだ=26年1月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
深夜3時着という時刻には、もともと明確な狙いがある。デリーでは、JALが提携するインド最大の航空会社、インディゴ(IGO/6E)の国内線ネットワークとの乗り継ぎを想定し、JALはこの時間帯に成田発便を設定した。JALのインド路線は、羽田-デリー線、成田-ベンガルール線と合わせて3路線だが、デリーでインディゴの国内線へ乗り継げるようにすることで、インド各地へのアクセスを高めている。
復路のJL740便も、デリーを早朝の午前4時35分に出発し、成田に午後3時10分に到着する運航スケジュールだ。成田から北米へ向かう便との乗り継ぎをしやすくし、インドから成田経由で北米へ向かう3国間流動を取り込む。

約25時間のインド滞在でタージ・マハルを訪れる旅を提案するJALのウェブサイト

有給ゼロでタージ・マハルを訪れる旅を提案するJALのウェブサイト
弾丸旅行というと、LCCによる近距離国際線では目にする旅行スタイルだ。JALは今回、接続重視の新路線を日本発の観光需要創出にも結び付けた。特設サイトでは「0泊」の観光モデルプランを提示し、週末の過ごし方の一つとして提案。また、事前登録でマイルが2倍たまる「ダブルマイルキャンペーン」も展開している。
モデルプランでは、金曜日の仕事帰りに午後8時15分発のJL749便で成田を出発し、土曜の午前3時にデリーへ到着。約25時間の滞在時間を使い、世界遺産のタージ・マハルやアグラ城、ファテープル・シークリーなどを巡る行程を想定する。
一方で、空港からタージ・マハルまでは片道約3時間30分。約10時間のフライトに加え、運転手付きの車を自ら手配するなど、それなりに旅慣れた人でないと厳しそうだ。私も昨年6月にデリーを8年ぶりに取材で訪れたが、現地ではミネラルウォーターでさえ、人によってはお腹を下す可能性があると耳にし、なかなか気の抜けない場所だと感じた。
帰りは日曜早朝発のJL740便でデリーを発ち、日曜の午後3時10分に成田へ戻る流れで、週末だけでインド観光を完結させる「有休ゼロ」の旅としている。

インディゴのインド国内線との接続を「非常に大きなチャンス」と語るJALの鳥取三津子社長=26年1月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
成田-デリー線の機材はボーイング787-8型機(E03仕様、2クラス206席)で、週7往復(1日1往復)運航。JALの鳥取三津子社長は「インディゴはインド国内線が非常に充実しており、地上交通機関が日本ほどないので、非常に大きなチャンス」と話す。
JAL国際路線事業部の阿部元久・国際路線計画担当部長によると、成田-デリー線の利用客は「7割強が外国人になる見込み」だという。深夜早朝を飛ぶ新路線による週末を使った弾丸旅行を提案し、コロナ後の回復が遅れている日本発のアウトバウンド需要の掘り起こしも狙う。
運航スケジュール
1/17から2/28まで
JL749 成田(20:15)→デリー(翌日03:00)
JL740 デリー(04:35)→成田(15:10)
3/1以降
JL749 成田(20:35)→デリー(翌日03:00)
JL740 デリー(04:35)→成田(15:20)
関連リンク
JALで行く 有休ゼロでタージ・マハルへ [1](JAL)
日本航空 [2]
1/17就航
・JAL、成田-デリー就航 インド最大インディゴと3国間流動取り込み [3](26年1月17日)
インディゴCEOインタビュー
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JALのインド路線
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