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787・747-8向けGEnx、日本の累計飛行時間500万時間突破

 GEエアロスペースは10月14日、ボーイング787・747-8型機向けターボファンエンジン「GEnx」の累計飛行時間が、日本国内で500万時間を突破したと発表した。国内でGEnxを搭載する航空機は68機にのぼり、今後42機が追加導入される見通し。

GEnx-1Bを搭載した787の飛行試験5号機=12年2月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 GEnxは、GEが中心となり2004年に開発がスタート。2011年に747-8向けのGEnx-2B、2012年に787向けのGEnx-1Bが商業運航を開始した。世界で累計6800万時間を超える飛行実績があり、納入済みと受注済みのエンジンは合わせて3600基を超え、787は3分の2にあたる機体がGEnx-1Bを選定している。

 日本国内では、2012年に日本航空(JAL/JL、9201)が787向けに初導入。その後、日本貨物航空(NCA/KZ)の747-8、全日本空輸(ANA/NH)の787向けに納入された。

 GEnxは、世界初の炭素繊維複合材製ファンブレードとファンケースを採用。軽量化や整備負担の軽減に加え、GE史上最も静かなエンジンだという。ツインアンニュラープレスワール(TAPS)型のリーン燃焼器は、現行のNOx(窒素酸化物)排出基準を大幅に下回り、CO2(二酸化炭素)などの排出物も抑制する。

 信頼性の面では、GEnx-1Bが787向けエンジンとして99.98%のディスパッチ率を記録。競合に比べてエンジンウイングタイム(TOW)は4倍、航空機利用率は6%高く、年間22日分の追加運航に相当するという。

 また、GEnxは承認済みの代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)」とのブレンド運用が可能。一般的な787の運航で、CO2排出量を1.4%削減する。

 旧GEは、航空機エンジンとエネルギー、医療機器の3事業への分社化を2021年11月に発表。GEエアロスペースが旧GEの航空機エンジンを中核とする事業を継承し、エネルギー部門を「GEベルノバ」、医療機器部門は「GEヘルスケア・テクノロジーズ(GEHC)」に分社した。ティッカーシンボル「GE」も、GEエアロスペースが継承した。

日本でのGEnx-1B初便となったJALのボストン線初便の787-8=12年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

NCAの747-8F=16年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA初のGEnx搭載787となったJA936A。エンジンカウルにはGEロゴが入る=21年12月9日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

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