航空機リース会社のエアキャップ(AerCap)は現地時間9月15日、米国の貨物航空会社カリッタ航空(CKS/K4)に、ボーイング777-300ER型機を旅客機から貨物機に転用した「777-300ERSF」の初号機と認証用試験機の2機を引き渡したと発表した。

カリッタ航空へ初納入された777-300ERSF(エアキャップ提供)
今回の2機は12日と13日に引き渡され、7機契約のうち最初の納入分。カリッタは、エアキャップによる777-300ERSF改修プログラムのローンチオペレーターで、老朽化した747-400F貨物機の更新を進めている。777-300ERSFは、イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)が改修を手掛け、FAA(米国連邦航空局)とイスラエル民間航空局(CAAI)の双方からSTC(追加型式設計承認)を取得している。
カリッタは、今回受領した2機を10月上旬から就航させる計画で、残る機体も数週間以内に順次引き渡される見通し。カリッタは日本航空(JAL/JL、9201)と貨物便のコードシェア(共同運航)をシカゴ-成田線で始めており、777-300ERSF就航後は同路線にも投入を計画している。

カリッタ航空の777-300ERSFの搭載ポジション(JALの資料から)
777-300ERSFのペイロード(有償搭載量)は最大100トン。上部貨物室にはパレットを33ポジション、下部には14ポジション搭載できる。747-400Fのペイロードは約113トンで、777-300ERSFはこれを下回るものの、CO2(二酸化炭素)排出量を20%削減できる。ベースとなる777-300ERは、800機以上が引き渡された。
関連リンク
Kalitta Air [1]
AerCap [2]
777-300ERSF [3](IAI)
IAI [4]
Boeing [5]
・777-300ERSF改修貨物機、FAAとCAAIからSTC取得 最大100トン搭載
(25年9月3日)
・JAL、カリッタ航空とコードシェア 777-300ER改修貨物機で成田-シカゴ [6](25年3月19日)
・777-300ER改修貨物機、開発の中間段階に GECASとIAI「ビッグツイン」 [7](21年4月16日)
・GEとIAI、777-300ERを大型貨物機に改修 ジャンボ後継777-300ERSF、22年リース開始 [8](20年8月6日)