エアバスは、インドネシア空軍向けの輸送機A400Mの初号機(MSN148)が初飛行をこのほど実施したと発表した。今年後半に初納入を予定している。

初飛行するインドネシア空軍向けA400M初号機(エアバス提供)
飛行はスペインのセビリアにあるエアバスの防衛宇宙部門エアバス・ディフェンス・アンド・スペースの施設で行われた。同施設ではA400Mの最終組立と地上試験も行われている。
初飛行時の試験では、機体の操縦性の確認に加え、エンジンや飛行制御、油圧、アビオニクスといった主要システムの動作を確認するため、さまざまな試験を実施。すべてのシステムが正常に作動したことが確認されたという。
2機発注されたうちの2機目のA400M(MSN150)は、現在セビリアの最終組立ラインで燃料システムの試験を進めており、まもなく塗装工程へ移る。その後、地上試験と飛行試験を経て引き渡される見通し。
エアバスによると、インドネシアは2021年にA400Mを2機発注し、10番目の導入国となる。ペイロードは30トンで、最大航続距離は2400海里。ジャカルタからインドネシア全土への飛行が可能で、未舗装地での運用にも対応する。また、さまざまな軍用機への空中給油も行える。

インドネシア空軍向けA400初号機(エアバス提供)
・エアバスA400M、インドネシア初号機の最終組立開始 [3](25年1月21日)
・エアバスA400M、カザフスタンに初納入 [4](24年12月11日)
・カザフスタン、A400Mを2機発注 24年納入開始 [5](21年9月2日)
・エアバス、100機目のA400M納入 [6](21年5月25日)
・エアバス・ミリタリー、A400M初号機を仏空軍に納入 [7](13年8月3日)