ホンダジェット、250機納入達成　28年に新型機

　本田技研工業（7267）の米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー（HACI）は現地時間1月31日（日本時間2月1日）、250機目の小型ビジネスジェット機「HondaJet（ホンダジェット）」を顧客に引き渡したと発表した。2015年12月の初納入から約8年で到達した。

　ホンダジェットはHACI前社長兼CEO（最高経営責任者）の藤野道格氏が設計し、開発責任者を務めた。量産初号機は現地時間2014年6月27日午前10時18分（日本時間27日午後11時18分）に、HACI本社がある米ノースカロライナ州グリーンズボロ市のピードモントトライアッド国際空港を離陸し、初飛行に成功。FAA（米国連邦航空局）の型式証明（TC）を2015年に取得し、これまでに日本を含む14カ国でTCを取得している。

　2018年に最初の改良型で航続距離を延ばし、客室内の静粛性を高めた「HondaJet Elite（エリート）」を発表。2021年には最大離陸重量を200ポンド（約91kg）増やし、航続距離を最大120海里（約222km）延ばせるようになった「HondaJet Elite S（ホンダジェット・エリートS）」、最新型で自動化を進めた「HondaJet Elite II（ホンダジェット・エリートII）」は2022年10月18日に発表した。

　いずれも最大定員は乗員2人と乗客6人または乗員1人と乗客7人で、パイロット1人でも運航できる。

　HACIの山崎英人社長は「250機納入というマイルストーンは単なる数字ではなく、私たちが常に卓越性と革新性を追求してきたことを物語るものだ」とあいさつした。同社によると、世界全体でのホンダジェットの飛行時間は21万時間を突破したという。

　HACIは2023年6月14日に、現行機よりも1つ上の「ライトジェット機」クラスとなる新型機「HondaJet Echelon（ホンダジェット・エシュロン）」の開発を発表。最大11人の乗客乗員が搭乗でき、パイロット1人でも運航できる仕様は踏襲する。

　航続距離はライトジェット機クラス初の米大陸横断が可能となる2625海里（約4862キロ）、巡航速度は450ノット（時速約833キロ）を計画し、2026年に初飛行、TC取得は2028年ごろを目指す。2021年に米ラスベガスで開催されたビジネスジェット展示会「NBAA（ナショナル・ビジネス・アビエーション・アソシエーション・コンベンション・アンド・エキシビション）」で発表したコンセプト機「HondaJet 2600 Concept」を製品化した。

関連リンク
HondaJet ^[1]
HondaJet Japan ^[2]

開発者藤野氏インタビュー
・「飛行機設計は頭脳握るべき」ホンダジェット、藤野社長インタビュー ^[3]（15年5月11日）

ホンダジェット操縦記
・“空飛ぶスポーツカー”ホンダジェット操縦リポート　静かな機内と飛ばす楽しさが印象的 ^[4]（17年11月10日）

エシュロン
・ホンダジェット、新型機「エシュロン」に　米大陸横断可のライト機、26年初飛行へ ^[5]（23年10月17日）

エリートII
・クルマみたいに注文できるホンダジェット　最新「Elite II」は客室も刷新 ^[6]（22年10月23日）
・ホンダジェット「Elite II」発表　航続距離延長や自動化、新色も ^[7]（22年10月18日）

日本ツアー
・ホンダジェット、成田空港で日本ツアー最終日 ^[8]（15年5月5日）
・ホンダジェット、熊本でデモ飛行　九州初飛来 ^[9]（15年4月30日）
・美しきビジネスジェット、羽田に飛来　写真特集・ホンダジェット日本初公開 ^[10]（15年4月27日）
・ホンダジェット、羽田初飛来　仙台から到着 ^[11]（15年4月23日）

量産初号機
・ホンダジェット、引き渡し開始 ^[12]（15年12月24日）
・ホンダジェット、FAAの型式証明取得　引渡開始へ ^[13]（15年12月10日）
・ホンダジェット、FAAの事前型式証明取得 ^[14]（15年3月30日）
・ホンダジェットのエンジン、FAAの製造証明取得 ^[15]（15年3月18日）
・ホンダジェット、量産初号機初披露　米航空ショーで ^[16]（14年7月29日）
・ホンダジェット、量産初号機が初飛行成功 ^[17]（14年6月28日）
・ホンダジェット、量産初号機公開　全5色に ^[18]（14年5月21日）