エンブラエルは現地時間5月16日、E190-E2型機(登録記号PR-ZFV)が韓国東南部の浦項空港で滑走路長1066メートルを想定した短距離着陸に成功したと発表した。2025年に完成を予定している鬱陵島空港のような1200メートルの滑走路に、雨天でも乗り入れられるとアピールしている。
エンブラエルはソウルの金浦空港と浦項、鬱陵島を往復するデモフライトを実施。浦項では、地元関係者など80人以上の招待客を乗せてソウルへ向かうフライトのための燃料を積んだ状態で、短距離着陸を想定したデモンストレーションを行った。
E190-E2は、次世代リージョナルジェット機「E2シリーズ」のうち、最初に開発された機体。従来のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」(E1)の後継機で、E175-E2とE190-E2、E195-E2の3機種で構成する。
新型エンジンや新設計の主翼、主脚の格納した際のドアなどで、燃費を向上させた。1クラス構成の標準座席数は、E175-E2が88-90席、E190-E2が106-114席、E195-E2が132-146席となる。エンジンは低燃費と低騒音を特徴とする米プラット&ホイットニー(PW)製GTFエンジンを採用しており、推力の違いでE175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。
ブラジルのエンブラエルはリージョナルジェット機世界最大手で、国内では日本航空(JAL/JL、9201)傘下のジェイエア(JAR/XM)が2009年2月1日に初めて就航させ、同年7月23日就航のフジドリームエアラインズ(FDA/JH)も同社機を導入している。
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Embraer [1]
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