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トキエア、ATR72受領 23年就航目標、県議会が融資懸念も

 仏ATRは現地時間10月10日、新潟空港を拠点に2023年の就航を目指すとしている地域航空会社「TOKI AIR(トキエア)」に、ATR72-600型機(1クラス72席)をアイルランドの航空機リース会社NAC(ノルディック・アビエーション・キャピタル)を通じて引き渡したと発表した。トキエアは今後、国土交通省からAOC(航空運送事業の許可)を取得する必要があり、安全性や持続的な運航が可能かを規定や訓練体制などを基に審査される。

*日本到着は11月予定。記事はこちら [1]

トキエアのATR72-600(ATR提供)

トキエアのATR72-600(ATR提供)

 日本でATRを導入するのは4社目。トキエアは今年秋ごろの就航を目指していたが、長谷川政樹社長が9月21日に新潟県の花角英世知事に現状を報告した際、2023年3月下旬以降に延期したことを明らかにした。機体は11月にも新潟空港に到着する見込みだが、これまでは夏を予定していた。

 一方、新潟空港にはトキエアが使用するマイクロバスが到着するなど、就航に向けた準備作業が進められている。

 就航を計画している路線は、新潟-札幌(丘珠)、仙台、中部、神戸の4路線。最初の就航地は丘珠で、2023年10月以降に仙台、12月以降に中部や神戸への就航を計画している。また、首都圏では成田への就航を目指す見込み。

 トキエアは、航空会社として事業を行う上で必要なAOCを国交省から取得する必要がある。当初トキエアは国交省の東京航空局(TCAB)に対し、7月下旬にも申請する計画だったが、現時点で11月以降になる見通し。

 新潟県は9月22日に、今年度の補正予算案を発表。一般会計460億円のうち、トキエアに対して就航に必要な資金として11億6000万円を融資する方針で、就航が実現しない場合は政治問題化する可能性もあり、県議会からは融資に対して懸念する声も出ている。

 また、定期便を運航するためにはパイロットや整備士を安定的に確保する必要もあり、資金と人材両面で経営体制の早期安定化が不可欠になっている。

*日本到着は11月予定。記事はこちら [1]

トキエアのATR72-600(同社Twitterから)

トキエアのATR72-600(同社Twitterから)

関連リンク
TOKI AIR [2]
TOKI Aviation Capital [3]
Avions De Transport Regional (ATR) [4]
新潟県 [5]

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