日本航空（JAL/JL、9201）は、三沢空港を発着する遊覧チャーターを8月17日に実施した。三沢への民間機乗り入れ70周年記念に加え、JALが運航する羽田－三沢線の4往復化の定着を目指した企画で、東北から道南を約2時間遊覧した。三沢空港発着の遊覧チャーターは初開催となった。
JALが三沢空港で実施した遊覧チャーターの参加者（同社提供）
チャーター便は乗客77人（うち幼児1人）が利用。JL4921便として、午後3時20分に三沢空港を出発した。離陸後は岩手県の三陸海岸を南下し、仙台と山形の上空を通過。山形からは北上し、秋田市と青森市の上空を経て函館へ向かい、午後5時27分に三沢へ戻った。定期便よりも低い高度を飛行し、市街地や海岸線の眺めを楽しめるようにした。
機材はJALグループで地方路線を担うジェイエア（JAR/XM）のエンブラエル170型機（E170、登録記号JA219J）を投入した。
同便には、三沢空港振興会の会長を務める三沢市の小桧山吉紀市長も搭乗。機内では客室乗務員がミニ航空教室を開き、子供を対象にした機内アナウンス体験も実施した。機内では乗客が眼下の市街地や風景を眺め、夏の東北を楽しむ姿が多くみられた。
三沢飛行場は1942年2月に当時の日本海軍が開設し、敗戦後は米軍が管理している。民間機の乗り入れは1952年1月11日に開始し、JALの羽田－札幌（千歳）線が三沢に寄港したことで軍民共用の飛行場となった。
JALの羽田－三沢線は1日3往復だったが、国土交通省が配分する羽田空港国内線の「政策コンテスト枠」の暫定配分により、2020年10月25日に始まった同年冬ダイヤ期初から1往復増便。現在は臨時便を除くと1日4往復運航している。
「コンテスト枠」は、スカイマーク（SKY/BC）の羽田－下地島線にも暫定配分。2022年冬ダイヤ最終日の2023年3月25日までが評価対象のトライアル運航期間で、発着枠は3月までの実績により、JALの三沢線かスカイマークの下地島線のいずれかに最終的な配分が決まる見込み。
JALは青森県と星野リゾート（長野・軽井沢町）の3者で、青森への誘客を強化する「のれそれ青森旅キャンペーン」を展開し、羽田－三沢線の4往復化定着を目指している。
JALが三沢空港で実施した遊覧チャーターJL4921便に搭乗する参加者（同社提供）
JALの三沢発着遊覧チャーターの機内から夏の東北の風景を楽しむ乗客（同社提供）
JALの三沢発着遊覧チャーターの機内から見た海岸線（同社提供）
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・JALと三沢空港、羽田発着枠獲得へトライアル2年目スタート 下地島と争う [4]（22年3月27日）
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・JAL、三沢空港をカラフルに 廃材ブレードでアート、3月末まで [6]（22年1月17日）
・国交省、羽田－下地島線配分 スカイマークが初就航へ、政策コンテスト枠活用 [7]（20年5月14日）
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