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ORC、ATR42の覚書締結 23年以降就航、Q200置き換え

 長崎空港を拠点とするオリエンタルエアブリッジ(ORC/OC)は現地時間7月19日、仏ATR製ATR42-600型機の発注に関する覚書を英ロンドン近郊で開催中のファンボロー航空ショーで締結した。今回の契約は1機で、2023年度以降に就航する見込み。同時に整備費を削減し、運航効率を高める「グローバルメンテナンス契約(GMA)」を締結した。

ファンボロー航空ショーで開かれた調印式でATR42の模型にサインするORCの客室乗務員=22年7月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ORCは2機のATR42を順次受領し、2023年度以降に離島路線の定期便に投入する計画。3機保有するボンバルディア(現デ・ハビランド・カナダ)DHC-8-Q200型機を更新していく。座席数は1クラス48席で、Q200の39席から9席増える。

 ORCはQ200に加え、2017年10月29日開始の冬ダイヤからは全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)からDHC-8-Q400(1クラス74席)をリース導入。現在は福岡路線を中心に3機投入しており、ATR42は長崎-壱岐線、五島福江線、対馬線、福岡-福江線などの離島路線に投入する見通し。

 19日に開かれた調印式には、ORCの田中和史専務が出席。パイロットと整備士、客室乗務員も参加し、ATR機の調印式では恒例である機体の模型に出席者がサインし、今後の発展を祈念した。

 ATRはエアバスと伊アレニア・アエルマッキの共同事業体として、1981年に設立されたリージョナル機メーカー。日本市場では、天草エアライン(AHX/MZ)がATR機を初導入し、2016年2月20日にATR42-600(1クラス48席)を就航させた。その後、日本航空(JAL/JL、9201)のグループ会社で鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC/JC)がATR42-600(同48席)とATR72-600(同70席)を、同グループで札幌の丘珠空港が拠点の北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)がATR42-600(同48席)を就航させている。

 ファンボロー航空ショーでは、日本初の地域航空会社のフランチャイズ運営会社となるフィールエアホールディングスが、ATR機を最大36機導入する取引意向書(LoI)を締結した(関連記事 [1])。

ファンボロー航空ショーでATR42導入と整備契約を締結するORCの田中和史専務(中央)とATRのステファノ・ボルトリCEO(左)ら=22年7月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーでATR42導入と整備契約を締結するORCの田中和史専務(中央)とATRのステファノ・ボルトリCEO(中央左)ら=22年7月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーで開かれたORCとATRの調印式で出席者がサインしたATR42の模型=22年7月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーで出席者がサインしたATR42の模型を手にするORCの田中和史専務(中央)とATRのステファノ・ボルトリCEO(左)ら=22年7月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
オリエンタルエアブリッジ [2]
ATR 日本語版ウェブサイト [3]

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