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デルタ航空、737-10を100機発注 最大の737 MAX、オプション30機

 デルタ航空(DAL/DL)は現地時間7月18日、ロンドン近郊で開催中のファンボロー航空ショーでボーイング737-10(737 MAX 10)を100機発注した。30機のオプション付きの契約で、2025年から受領する見込み。

ファンボロー航空ショーで開かれた737-10発注の調印式に出席するデルタ航空とボーイングの関係者ら=22年7月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737-10は737 MAXファミリー最大の機種。FAA(米国連邦航空局)からの型式証明取得が最終局面を迎えており、2023年には取得できる見込み。今回の契約には、万一遅延した際には737 MAXの他機種に移行できるなどの内容が盛り込まれた。

 座席数は3クラス182席で、ファーストクラス20席、足もとが広いエコノミークラス「デルタ・コンフォートプラス」33席、エコノミークラス129席。全体の3分1近くがプレミアムシートになるレイアウトにした。客室内装はLED照明や大型の手荷物収納棚など、787と同等のものを取り入れた「ボーイング・スカイ・インテリア」となる。

 配備する空港は、ニューヨーク、ボストン、アトランタ、デトロイト、ミネアポリス・セントポール、シアトル、ロサンゼルスなど米国内の主要ハブ空港。航続距離は3300海里(約6111キロ)となる。デルタは米国内の短中距離路線に投入し、従来よりも1便あたりの提供座席数を増やす。

ファンボロー航空ショーの調印式会場に展示されたデルタ航空の737-10の模型=22年7月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 デルタは737-900ERと737-800を運航しており、パイロットのライセンスの共通性が導入を決めた最大の要因だという。10年後までにデルタの737ファミリーは300機以上になる見込みで、エアバスA320ファミリーに次ぐ規模になる。

 737 MAXは、737-800など737NG(次世代737)ファミリーの後継で、737-10のほかに最初に就航した737-800の後継となる737-8(737 MAX 8、1クラス189席)、もっとも胴体が短い機体が737-700の後継機737-7(737 MAX 7、同172席)、737NGで最大サイズだった737-900/-900ERの後継の737-9(737 MAX 9、同220席)があり、737-8には座席数をLCC向けに増やした737-8-200(737 MAX 200、同210席)もそろえている。胴体長は、737-7が35.56メートル、737-8が39.52メートル、737-9が42.16メートルで、737-10は43.8メートルと、もっとも短い737-7と比べて8メートル以上長い。

 ボーイングは737-10の型式証明取得の期限を12月としている。米国議会が免除しない限りは、現状では737 MAXが装備していないコックピット内の警告システム「EICAS(Engine Indicating and Crew Alerting System:エンジン計器・乗員警告システム)」を新設し、新たなパイロット訓練を設ける必要がある。この場合、737-8など、既存機と共通性があるほかの737 MAXとは別のコックピットとして扱われ、パイロットのライセンスを共通化できなくなる可能性がある。

ファンボロー航空ショーで飛行展示を披露するボーイングの737-10(737 MAX 10)=22年7月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
デルタ航空 [1]
Boeing [2]
ボーイング・ジャパン [3]
Farnborough International Airshow [4]

737-10(737 MAX 10)
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