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JAL、成田・羽田で顔パス搭乗 19日から国際線本格運用

 日本航空(JAL/JL、9201)は7月12日、成田・羽田両空港の国際線で実証実験を進めてきた顔認証技術を用いた“顔パス”の搭乗手続き「Face Express(フェイスエクスプレス)」を、19日から本運用に移行すると発表した。今年4月から実証実験を始めたもので、搭乗券とパスポートを保安検査場などで提示する必要がなくなり、接触機会の少ない搭乗手続きを実現できる。

*本運用初日の記事はこちら [1]

成田空港でFace Expressの搭乗手続きを実演するスタッフ=21年4月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 Face Expressは、両空港の国際線チェックインカウンターと保安検査場の入口、搭乗口に、日本電気(NEC、6701)の顔認証システムを導入した機器を設置。係員が搭乗券とパスポートを目視で確認せずに通過できるようにした。

 利用者がチェックイン時に顔写真とパスポート情報、搭乗券情報をひも付けると、認証システムに情報が一時的に格納される。保安検査場の入口や搭乗口などで、歩きながら撮影した顔写真を認証システムの情報と照合して本人確認する。

 チェックイン以降の手荷物の預け入れや保安検査、搭乗口などで搭乗券とパスポートを提示する必要がなくなり、接触リスクの軽減にもつながることから、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止策としても位置づけている。乗客が手荷物を預ける際は、チェックイン機でタグを印刷し、自分で手荷物にタグを付けて自動手荷物預け機に持ち込む。

 顔認証に使う写真を登録できる場所は、成田空港が第2ターミナルの自動チェックイン機、自動手荷物預け機、保安検査場入口ゲートのうちいずれか。羽田は第3ターミナル(旧称国際線ターミナル)のFace Express登録専用機で登録する。

 顔認証技術を使った搭乗手続きは、航空会社などが加盟するIATA(国際航空運送協会)が推進する旅客搭乗手続きの自動化プロジェクト「Fast Travel(ファストトラベル)」のひとつで、「OneID(ワンアイディー)」と呼ばれている。成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は、顔パスで搭乗できることが利用者に伝わるよう、OneIDに「Face Express」と愛称を付けてロゴも用意し、成田と羽田の両空港に導入した。

 成田では当初、JALと全日本空輸(ANA/NH)の2社が参加。羽田は2社のほか、デルタ航空(DAL/DL)とエールフランス航空(AFR/AF)の運航便でも利用できる。

関連リンク
Face Express [2](成田国際空港)
成田空港 [3]
羽田空港 [4]
日本航空 [5]

JAL、顔パス搭乗スタート 成田・羽田の国際線 [1](21年7月19日)
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