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ANA、国際線9割運休続く 羽田-モスクワ、イスタンブールは延期

 全日本空輸(ANA/NH)は5月12日、国際線の運航計画を追加で見直したと発表した。対象期間は31日までと6月1日から15日まで。5月は計画していた72路線5390便のうち93%にあたる4987便を運休・減便。6月は1日から15日までで73路線2597便のうち、90%にあたる71路線2334便が対象になる。また、7月に就航予定だった新路線の羽田-モスクワ線とイスタンブール線は、開設時期を未定とした。

国際線の9割運休が続くANA=20年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新たに発表した5月中の運休・減便は4路線67便が対象。羽田-バンコク線(NH847/850)と成田-ハノイ線(NH897/898)、成田-ホ-チミンシティ線(NH833/834)、羽田-マニラ(NH869/870)が対象になる。バンコク線とハノイ線、ホーチミン線は現地発のみの運航となり、マニラ線は運航日によりマニラ発のみとなる日がある。

 6月の追加発表分は、1日から15日までの70路線2297便。通常運航を続けるのは、週7往復の羽田-バンコク線(NH834/850)と成田-ロサンゼルス線(NH6/5)、成田-シカゴ線(NH12/11)の3路線のみ。その他の便は運休や減便が生じる。

 また、成田-香港線の臨時便NH1929/1930便を週1往復金曜のみ運航する。機材はボーイング767-300ER型機(2クラス202席)を使用する。香港行きNH1929便は成田を午前9時50分に出発して、午後1時40分に着く。成田行きNH1930便は午後2時55分に香港を出発し、午後8時15分に到着する。

 7月1日から週7往復で開設予定だった羽田-モスクワ線(NH213/214)と、6日に同じく週7往復で就航予定だった羽田-イスタンブール線(NH219/220)は、就航を延期。開設時期は未定となっている。

 ANAが5月11日に発表した3月の利用実績によると、国際線は旅客数が前年同月比72.1%減の24万3432人、ロードファクター(座席利用率、L/F)は43.3ポイント低下し35.0%だった。国内線も旅客数が前年同月比60.2%減の140万1054人、搭乗率が37.0ポイント低下の35.3%と大きく落ち込んだ。

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