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シンガポール航空ショー開幕 出張自粛で静かな会場、スペースジェットはモックアップ展示

 偶数年開催のシンガポール航空ショーが現地時間2月11日、開幕した。世界最大規模で奇数年夏に開かれるパリ、偶数年夏にロンドン近郊で開かれるファンボローに次ぐ世界3大航空ショーだが、中国から拡散した新型コロナウイルスの影響により、出展を取り止めたり来場をキャンセルした航空関係者も多く、会場は大規模な航空ショーの初日としては閑散としており、航空機メーカーの社員は「静かな航空ショーだ」と感想を漏らしていた。

出展取り止めとなった企業のブースは休憩エリアになったシンガポール航空ショー=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 シンガポール航空ショーはパリやファンボローと比べ、民間機の展示が少ないのが特徴。そうした中、前回2018年はエアバスがA350-1000型機を展示し存在感を示していたが、今年の民間機はエンブラエルがE195-E2の飛行試験機、ATRがバンコク・エアウェイズ(BKP/PG)のATR72-600型機を展示するのみ。ボーイングは民間機の出展はなく、ブースには777Xなどの模型を展示していた。このほか、民間機はビジネスジェットのホンダジェットやダッソー・ファルコンの出展にとどまった。

 軍用機は地元シンガポール軍のF-15SGやF16D+、A330MRTT、HERON1、米軍のF/A-18、C-17、KC-135、P-8、MV-22、エアバスのA400Mなどがみられた。主催者側の出展予定に掲載されながらも飛来していない機体もあった。

 ヘリコプターのベル・テキストロンは実機展示を見合わせ、ブースも場所は確保しながらも展示はせず、社員が詰めているだけだった。館内を歩くと出展がキャンセルになったとみられる場所は、休憩スペースとして活用されていたが、欧米ではシンガポールも出張禁止エリアに含める企業も出始めていることもあってか、ショー初日ながら閑散としていたのが印象的だった。

 一方で、地元シンガポールのSTエンジニアリングは、例年通り館内中央に出展。政府が出資する航空宇宙防衛などを幅広く手掛ける企業で、民間機向けではシートを出展したほか、ラバトリー(化粧室)のコンセプトモデルも展示していた。

 日本勢では、三菱航空機がリージョナルジェット機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」のモックアップを出展。2年前の前回は、商談スペースのパネル展示やPRビデオ放映にとどまったが、今回は招待者以外もモックアップを自由に見学できるようにし、昨年のパリ航空ショーでお披露目した新しい客室デザインをアピールしていた(関連記事 [1])。

*写真は17枚。

三菱スペースジェットのモックアップや模型が展示されたシンガポール航空ショーの三菱航空機ブース=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

777Xなどの模型が展示されたシンガポール航空ショーのボーイングブース=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A350-1000などの模型が展示されたシンガポール航空ショーのエアバスブース=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エンジンのカットモデルが展示されたシンガポール航空ショーのロールス・ロイスブース=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

出展取り止めとなった企業のブースは休憩エリアになったシンガポール航空ショー=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーのSTエンジニアリングブースに展示されたシート=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ベル・テキストロンはシンガポール航空ショーに出展したものの実機や模型の展示は取り止めた=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

初日ながら出展取り止めや来場キャンセルで閑散としたシンガポール航空ショー初日の館内=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーで数少ない民間機の実機展示となったエンブラエルE195-E2=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーで数少ない民間機の実機展示となったホンダジェット=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーで数少ない民間機の実機展示となったバンコク・エアウェイズのATR72-600=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーの会場に出展されたシンガポール軍のF-16(手前)とA330MRTT=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール航空ショーの会場に並ぶ米軍の(左から)P-8、C-17、KC-135=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール軍などが実機を出展したシンガポール航空ショーの会場=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

新型コロナウイルスの影響で展示機が少ないシンガポール航空ショーの会場=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

新型コロナウイルスの影響で展示機が少ないシンガポール航空ショーの会場=20年2月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
Singapore Airshow 2020 [2]

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“ツチノコジェット”は幻に終わるのか 特集・延期6度目の三菱スペースジェット [3](20年2月10日)
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(1)A350-1000試験機の機内 [7]
(2)巨大貨物室が人気のC-17 [8]
(3)創設50周年塗装F-15SGや米F-22も [9]