ANAの787ロゴ塗装機、シンガポールへ出発　再塗装で全機姿消す

　全日本空輸（ANA/NH）のボーイング787型機のうち、機体前方に「787」と大きく描いた最後の787ロゴ塗装機（787-8、登録記号JA818A）が1月10日早朝、通常塗装に塗り替えるため羽田空港を出発し、シンガポールへ向かった。

　ANAの787は、初号機（登録記号JA801A）と2号機（JA802A）の特別塗装、787ロゴ塗装、他機種と同じ通常塗装の3種類が存在。自動車のナンバープレートに当たる「登録記号」でJA803AからJA824Aまでの22機が787ロゴ塗装で、すべて標準型の787-8となる。国際線仕様は一足早く姿を消しており、最後まで残っていたJA820A（13年6月受領）が2019年12月24日に成田空港からリペイントを実施する台北へ飛び立った。

　787ロゴ塗装機のうち、初の国際線機材は2011年12月30日受領のJA805Aで、ビジネスクラスにスタッガード配列のシートを採用した長距離国際線仕様機。最初にリペイントが実施された機体で、2017年8月に通常塗装に塗り替えられた。

　国内線仕様機はJA809Aが最初で、2012年6月20日に引き渡された。プレミアムクラスのシートは、JA817Aまでは国際線ビジネスクラスの「ANAビジネス・クレードル」で、2013年5月14日に受領したJA818A以降は計画通りのシートが搭載されている。

　787は、シアトル近郊のエバレット工場と、サウスカロライナ州のチャールストン工場の2カ所で最終組立が行われている。787ロゴ塗装機で最後に引き渡されたJA824Aは国内線仕様で、ANA初のチャールストン製となった。

　2014年2月に引き渡された納入25機目のJA827A（長距離国際線仕様）と26機目のJA825A（国内線仕様）から通常塗装に変更しており、この時点で787の認知度を高める活動は一定の効果があったとして、ブランド管理の観点から塗装を他機種と揃えている。このため、映画『スター・ウォーズ』に登場するロボット「R2-D2」を描いた「R2-D2 ANA JET」（787-9、JA873A）などの特別塗装機を除くと、787の塗装は2011年10月26日の就航以来、初めて統一される。

　最後の787塗装機となったJA818Aは、9日の福岡発羽田行きNH272便で同塗装での商業運航を終えた。10日は午前5時28分すぎに羽田を出発し、NH9101便としてシンガポールのパヤ・レバー空港へ向かった。

＊写真は13枚。
＊ラストフライトの記事はこちら ^[1]。
＊JA820A離陸の様子はこちら ^[2]。

関連リンク
全日本空輸 ^[3]

787ロゴ塗装
・ANAの787ロゴ塗装機、ラストフライト終える　JA818A、福岡発NH272便 ^[1]（20年1月9日）
・ANA、最後の787ロゴ塗装機公開　通常塗装に統一へ ^[4]（20年1月6日）
・ANAの787ロゴ塗装機、まもなくラストフライト　残り1機JA818A ^[2]（20年1月5日）

外観の動画（YouTube Aviation Wireチャンネル ^[5]）
・最後の787ロゴ塗装機 ANA 787-8 JA818A ^[6]

初の通常塗装機
・ANAの787、他機種と同一塗装に　25機目から”787″ロゴ消える ^[7]（14年2月10日）

JA802Aリペイント
・鯖塗装からトリトンへ　写真特集・ANA787 2号機リペイント ^[8]（18年1月11日）
・ANAの787 2号機、再塗装終え伊丹から成田へ　通常塗装初便はプノンペン行き ^[9]（17年10月24日）
・ANAの787、2号機も再塗装完了　就航時のデザイン消える ^[10]（17年10月23日）
・ANAの787、2号機も通常塗装へ　伊丹到着、就航時の特別塗装姿消す ^[11]（17年9月29日）

JA801Aリペイント
・さよなら”鯖”塗装　写真特集・ANA787初号機JA801Aリペイント（前編） ^[12]（17年3月4日）
・787ロゴ消え他機種と統一　写真特集・ANA787初号機JA801Aリペイント（後編） ^[13]（17年3月6日）
・ANAの787初号機、通常塗装で登場　初の再塗装機 ^[14]（17年2月28日）
・ANAの787初号機、通常塗装へ　伊丹に到着、15日から再塗装 ^[15]（17年2月14日）