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ANA、五島列島でドローン配送実験 離島の利便性向上へ

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)と長崎県五島市は、ドローンを使った配送の実証実験を、自律制御システム研究所(6232)、NTTドコモ(9437)、プロダクションナップ(NAP、長崎市)とともに実施する。9月25日から10月4日と、2020年1月ごろにそれぞれ10日間予定し、本土と直接結ぶ交通機関がない「二次離島」住民の利便性向上を目指す。

五島列島でドローンによる実証実験を実施するANAホールディングス=PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

 ドローンを使った実証実験は、福江島から黄島と赤島との間で実施し、生活用品や食品、医薬品などを運ぶ。五島市はこれまでに、奈留島から人口24人の前島に食料品などを運ぶ実証実験を行っている。今後は五島市無人物流協議会(仮称)を設立し、発注から受け取りまでの仕組みを検討、検証する。また、市内でドローン物流オペレーションを担う人材を育成する。

 実証実験では、ANAHDがドローンの運航管理と協議会事務局、自律制御システム研究所が機体の提供と運航サポート、NTTドコモはLTEネットワークの提供、NAPは運航のサポート、本事業発注者の五島市は、検証対象となる地域や関係者との調整などを担当する。

 黄島は福江島の南側、約8キロ沖にあり、島内には商店が1軒と民宿が2軒ある。現在は25世帯35人が島で生活する。赤島は福江島の南側、約7キロ沖にある有人島で、福江港からは定期船で30分ほどかかる。島に商店はなく、食料などは福江島から取り寄せるか福江島に買い物に出る。現在は10世帯13人が島で暮らしている。福江島からは、赤島と黄島を結ぶ定期船が1日2回運航している。

 実証実験は、内閣府地方創生推進交付金事業ドローン i-Land プロジェクトの一環として実施する。

関連リンク
全日本空輸 [1]
五島市 [2]
自律制御システム研究所 [3]

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