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ANA、総合訓練施設「ANA Blue Base」公開 20年6月に全面運用

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は5月29日、羽田空港近隣の総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB、ANAブルーベース)」を公開した。これまで点在していたグループの訓練施設を集約するもので、4月15日から順次運用を開始し、2020年6月から全面運用を始める見通し。

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
運航関連の訓練集約
畳に腰掛けられる茶室

運航関連の訓練集約

 ABBは、羽田空港に近い京浜急行の穴守稲荷駅から徒歩6分の立地にあり、敷地面積は約3万2800平方メートル、建物面積は約6万500平方メートルで、地上8階建て。2017年7月13日に着工し、今年3月31日に完成した。現在は既存の訓練施設から機材を移したり、最新鋭機材の搬入と並行し、使用可能な施設から稼働している。

訓練を見学出来るようになるANAの新訓練施設「ANA Blue Base」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAは、ABBを安全や運航品質の向上、イノベーション推進、働き方改革、ANAブランドの発信の拠点と位置づけた。パイロットや整備士、客室乗務員、地上係員、グランドハンドリング係員などの訓練に使うだけではなく、社外の人との協業や、訓練の様子を学生などに見学してもらうことで、長期的な人材育成につなげていく。

 訓練施設をABBに集約することで運航を担う全部門が集約し、空港を再現した環境で部門間の連携が必要な場面の訓練もできるようになるという。また、2020年4月には、客室乗務員の訓練用に飛行中の揺れなどを再現できる「モーションモックアップ」を日本で初導入するなど、世界最新鋭の訓練機器を順次稼働させる。

 29日は実際に訓練を行っている施設のうち、客室乗務員が日本のおもてなしを学ぶ航空会社の訓練施設では初の茶室「和協庵」と、整備士がエンジンや主脚の実物を使い、オイルが流れるチューブの取り付けや取り外しなどの基礎訓練を受ける「Maintenance Training Mock-up(MTM、メンテナンス・トレーニング・モックアップ)」、パイロットが実機同様の動きを体験して訓練する「Full Flight Simulator(FFS、フルフライトシミュレーター)」が公開された。

畳に腰掛けられる茶室

 茶室には、正座になれていない外国人客室乗務員なども訓練を受けることから、掘りごたつのように畳に腰掛けられる構造を取り入れた。

茶道を通じて客室乗務員が日本のおもてなしを学ぶANAの新訓練施設「ANA Blue Base」の茶室「和協庵」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 茶道の心得がある客室乗務員による「お茶サポーター」と教官が組み、新人のほかビジネスクラスやファーストクラスの社内資格を取得する客室乗務員などに、茶道を通じたおもてなしを会得してもらう。欄間(らんま)には、富士山をバックに羽田を離陸する飛行機などがデザインされた。

 MTMには、ボーイング787型機で使用してきたロールス・ロイス製エンジン「Trent 1000」の実物や、747と767の主脚などを用意。ANAやグループ5社の整備士などが訓練を受ける。

 FFSは最大22基を設置でき、現在運用している17基を順次移設していく。29日の時点では、新たに導入した787のFFSが稼働していたほか、777のものが調整中だった。

 今後は地上係員の訓練に使用するチェックインカウンターや搭乗口などを設けるほか、安全教育センターをはじめ教育研修施設も順次稼働する。また、航空会社の訓練施設見学は世界初となり、2020年6月から公開する計画を進めている。

 施設名は1034件の応募の中から、ANAの山口元之さんとANA福岡空港の酒井剛さんが発案したものが選ばれ、入口には2人の名前が掲げられた。

*写真は17枚。

施設名の発案者を記したANAの新訓練施設「ANA Blue Base」の入口=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」で整備士が訓練を受ける「Maintenance Training Mock-up」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」で整備士が訓練を受ける「Maintenance Training Mock-up」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」で整備士が訓練を受ける「Maintenance Training Mock-up」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

茶道を通じて客室乗務員が日本のおもてなしを学ぶANAの新訓練施設「ANA Blue Base」の茶室「和協庵」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

茶道を通じて客室乗務員が日本のおもてなしを学ぶANAの新訓練施設「ANA Blue Base」の茶室「和協庵」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

茶道を通じて客室乗務員が日本のおもてなしを学ぶANAの新訓練施設「ANA Blue Base」の茶室「和協庵」の欄間=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

茶道を通じて客室乗務員が日本のおもてなしを学ぶANAの新訓練施設「ANA Blue Base」の茶室「和協庵」の外観=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」に設置された787のフルフライトシミュレーター=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」に設置された787のフルフライトシミュレーター=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

空港をイメージしたANAの新訓練施設「ANA Blue Base」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」のカフェテリア=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」の屋上=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの新訓練施設「ANA Blue Base」=19年5月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸 [1]