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ANAパイロット飲酒問題、片野坂・平子両社長が陳謝

 全日本空輸(ANA/NH)の30代男性副操縦士から乗務前にアルコール反応が検出され、2月19日の神戸発羽田行きNH412便(ボーイング777-200ER型機、登録記号JA707A)が、乗員交代により出発が定刻より1時間半以上遅れた問題について、ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長とANAの平子裕志社長は26日、都内の本社で陳謝した。

副操縦士の飲酒問題について陳謝する(左から)ANAの平子社長、ANAホールディングスの片野坂社長ら=19年2月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAHDの片野坂社長は、「二度と起こさない決意の下、厳格な検査態勢による再発防止、遵法意識の徹底に努める中、再び違反者を出し誠に申し訳ない」と謝罪。再発防止策を強化すると述べた。

 ANAの平子社長は、「未然防止策はほぼ整いつつあるが、自己管理の支援は道半ばと言わざるを得ない。注意喚起する社風に改めるよう、先頭に立って取り組む」と説明。パイロットの自己管理の支援など、飲酒問題に対する当事者意識を強く持つよう、全社で再発防止に取り組む。

 副操縦士は乗務前の19日午前1時ごろ、宿泊先のホテル自室で飲酒。缶ビール(350ml)を1本と、缶チューハイ(350ml)を半分飲んでいた。飲酒量は社内規定以下だったが、規定で禁じている乗務24時間前以降の飲酒で、乗務前に複数回実施したアルコール検査では規定を上回るアルコール量が検出され、交代が決まった。

 乗客322人(幼児7人含む)を乗せたNH412便は、定刻より1時間39分遅れの午前8時44分に神戸を出発。羽田には1時間40分遅れの午前9時55分に到着した。

 同じくANAHD傘下でパイロットの飲酒問題が相次いだ、地方路線を担うANAウイングス(AKX/EH)が、国土交通省航空局(JCAB)へ22日に提出した報告書によると、飲酒問題は一部社員の問題と捉えるなど当事者意識が不足していたり、機長と副操縦士の立場の違いより相互監視が難しい職場風土、会社の組織マネジメント不足による一体感や価値観の共有が不十分だったことなどを、要因に挙げている。

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