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ANA、アルコール検知で副操縦士交代 1時間半以上遅れ

 全日本空輸(ANA/NH)は2月22日、国内線に乗務予定だった30代男性副操縦士から乗務前にアルコール反応が検出され、19日の神戸発羽田行きNH412便(ボーイング777-200ER型機、登録記号JA707A)のパイロットを交代させたことを明らかにした。この影響で、乗客322人(幼児7人含む)を乗せた同便は、定刻より1時間39分遅れの午前8時44分に神戸を出発し、羽田には1時間40分遅れの午前9時55分に到着した。

アルコール反応が検出されパイロットが交代したANA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAによると、副操縦士は乗務前の19日午前1時ごろ、宿泊先のホテル自室で飲酒。缶ビール(350ml)を1本と、缶チューハイ(350ml)を半分飲んでいた。ANAグループは、パイロットのアルコール摂取量の上限をビール1リットルに相当する「2単位」と定めており、副操縦士の飲酒量は1.5単位相当と規定以下だった。一方、乗務24時間前以降の飲酒を社内規定で禁じており、国内線乗務による滞在先では、事実上飲酒ができない。

 副操縦士は、19日午前6時10分ごろに神戸空港へ出社。乗務前のアルコール検査をストロータイプの検査機を用いて複数回実施したが、出発予定時刻の近くになっても社内規定を上回る呼気1リットルあたり0.05ミリグラムのアルコールが検出されたことから、交代が決まった。

 また、神戸空港でアルコール検査の第三者確認を実施した担当者は、副操縦士がせき込んでいたことから検温させたところ、37.6度の発熱を確認したという。

 副操縦士は現在乗務から外れており、ANAでは「社内規定に則り、速やかに厳正に対処する」としている。副操縦士の総飛行時間は524時間28分で、777の乗務発令後は277時間41分、副操縦士昇格から5カ月だった。

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