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三菱航空機、1700億円増資 三菱重工が債権放棄 MRJ開発専念

 リージョナルジェット機「MRJ」を開発する三菱航空機は12月7日、1700億円の増資を完了した。親会社の三菱重工業(7011)が500億円の債権を放棄し、三菱航空機の増資をすべて引き受けた。

1700億円の増資を完了した三菱航空機が開発するMRJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 三菱重工は三菱航空機に対し、2200億円の資金支援を実施すると10月31日に発表。2200億円の内訳は、三菱航空機が発行する1700億円の新株を三菱重工が引き受け、三菱航空機への融資のうち500億円の債権を放棄した。増資で調達する資金を、三菱航空機は現在開発中のMRJ90(標準座席数88席)の型式証明取得に向けた設計や試験、機体販売後のサポート体制構築など事業化の準備に充てる。

 三菱航空機の出資比率は、これまでは三菱重工が64.0%、三菱商事(8058)やトヨタ自動車(7203)などが計36.0%だった。今回の増資は三菱重工のみ参加し、増資後の出資比率は三菱重工が86.7%と大幅に増え、他社は13.3%まで低下した。

 MRJは、飛行試験を現在実施しているMRJ90と、短胴型のMRJ70(76席)の2機種で構成。三菱航空機は、2020年半ばまでにMRJ90の納入開始を計画しており、現在は米国で飛行試験を行っている。今後は配線の見直しなど設計変更を反映した試験機を米国に持ち込み、国土交通省航空局(JCAB)から型式証明を得るための飛行試験を進める。

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