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JAL、CAPAのアジア最優秀エアライン受賞 植木会長、社員称える

 航空市場に特化したシンクタンクの豪CAPAは現地時間11月8日、アジア太平洋地域で最も優れた航空会社に、日本航空(JAL/JL、9201)を選定した。シンガポール・セントーサ島のホテルで開催した授賞式に、JALの植木義晴会長が出席し、CAPAのピーター・ハービソン会長から記念の盾が贈られた。同賞の受賞は、2011年以来2度目となる。

CAPAのハービソン会長から盾を受け取り笑顔を見せるJALの植木会長=18年11月8日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

最優秀賞の受賞スピーチで社員を称えるJALの植木会長(中)=18年11月8日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 受賞したのは、エアライン・オブ・ザ・イヤー(Airline of the Year)。航空業界の発展に寄与し、ほかの航空会社の手本となるエアラインに贈られる。

 JALは2011年にも同賞を受賞。当時は2010年1月19日の経営破たんから1年が経過し、再上場もしていなかった。前回の受賞時を「よくがんばったね、という意味でいただいた」と表現した植木会長は、「(11年は)東日本大震災も発生し、心から喜べなかった」と振り返った。今回の受賞は「社員みんながもらった賞。全社で分かち合いたい」と述べ、喜びをあらわにした。

 今回の受賞について、植木会長は「破たんから1年目と2年目に残した業績を、8年間継続できたことによるもの」と分析。「継続は難しいもの。社員とともにやり抜いたことを誇りに感じる」と社員を称えた。

 パイロット出身の植木会長は、機長としてダグラスDC-10型機、ボーイング747-400型機、ボンバルディアCRJ200型機の操縦桿を握ってきた。経営破たん後の同年2月に、執行役員運航本部長に就任し、現場を離れた。その後、2013年4月に社長に就任し、今年の4月から会長に退いた。

 授賞式の司会者から、今後について尋ねられると、「一歩引いた状態で、会社全体を見回したい。アイデアはたくさんある」と述べ、さまざまことに挑戦する姿勢を見せた。「パイロットはもういいや」と続けると、会場からは笑いが起きた。

第15回CAPAアビエーション・アワード受賞者
エアライン・オブ・ザ・イヤー
JAL

ローコスト・エアライン・オブ・ザ・イヤー
タイ・ライオン・エア

リージョナル・エアライン・オブ・ザ・イヤー
アライアンス航空(豪)

エアライン・ターンアラウンド・オブ・ザ・イヤー
サウディア(サウジアラビア)

エアライン・スタートアップ・オブ・ザ・イヤー
フライアディール(サウジアラビア)

ラージ・エアポート・オブ・ザ・イヤー
仁川国際空港(韓国)

ミディアム・エアポート・オブ・ザ・イヤー
マクタン・セブ国際空港(フィリピン)

リージョナル・エアポート・オブ・ザ・イヤー
スナイ国際空港(マレーシア、ジョホールバル)

JALの植木会長(右から3人目)ら、各賞を受賞した航空関係者=18年11月8日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
日本航空 [1]
CAPA ASIA 2018 Aviation Summit [2]

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JAL植木会長「近距離LCC参入せず」 CAPA、シンガポールでサミット [3](18年11月8日)

CAPA
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