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大韓航空、中部にA220就航 初の国際線投入

 大韓航空(KAL/KE)は11月5日、エアバスA220-300型機(旧ボンバルディアCS300型機)を国際線に初投入し、初便が釜山から中部空港(セントレア)へ乗り入れた。A220が日本を発着する定期便に投入されるのは初めて。

中部空港に到着する大韓航空の釜山発KE753便のA220。奥はエアアジア・ジャパンのA320=18年11月5日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

 A220-300の座席数は、2クラス127席(プレミアムエコノミー25席、エコノミー102席)。プレミアムエコノミーのシートピッチは36インチ(91.4センチ)、エコノミーは、31インチまたは32インチで、シートはいずれも1列5席の2-3席配列となる。

 大韓航空は、A220-300を10機発注済み。同社向け初号機(登録番号HL8092)は、2017年12月22日に受領し、現在8機保有している。2019年1月までに、全機を受領する見通し。

 これまでは韓国国内線で運航していたが、初の国際線として5日から釜山-中部線に投入。2019年1月までに、釜山発着の日本路線に導入する。中部線のほか、成田と福岡、札幌の計4路線が対象で、現在はいずれもボーイング737-900型機(2クラス188席:ビジネス8席、エコノミー180席)で運航している。成田は12月5日から、福岡と札幌は1月5日から切り替える。

 A220は、ボンバルディアが開発した小型旅客機「Cシリーズ」の新たな名称。Cシリーズの製造や販売を担う事業会社「CSALP(C Series Aircraft Limited Partnership)」を、エアバスが今年7月に買収したことで改称した。Cシリーズは、CS100(メーカー標準座席数100-135席)と、中胴が3.7メートル長いCS300(130-160席)の2機種で構成され、CS100がA220-100、CS300がA220-300に改められた。

 エンジンは、低燃費・低騒音が売りとなる新型の米プラット・アンド・ホイットニー社製GTF(ギヤード・ターボファン)エンジン「PurePower PW1500G」。二酸化炭素(CO2)排出量は20%、窒素酸化物(NOx)排出量は50%削減できる点がセールスポイントのひとつだ。同じくGTFエンジンを採用したブラジルのエンブラエルが開発した「E2シリーズ」のうち、E190-E2とE195-E2が競合となる。

 三菱航空機が開発中のMRJと同じGTFエンジンで、機内は静かだ。エアバスのA320と比べて15%大きい窓、キャリーバッグを収納できる大型のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)など、居住性の高さをアピールする。また、A220-100とA220-300は部品を99%共通化しており、パイロットは同じライセンスで操縦できる。

 5日の初便は、釜山発中部行きKE753便(A220-300、登録番号HL7200)が釜山を午後0時55分に出発し、午後2時28分に到着。折り返しの中部発釜山行きKE754便は、午後3時45分に中部を出発し、午後5時40分に着いた。

A220の釜山-中部線運航スケジュール
KE753 釜山(12:55)→中部(14:20)
KE754 中部(15:20)→釜山(17:00)

*A220の解説記事はこちら [1]

中部空港に着陸する大韓航空の釜山発KE753便のA220=18年11月5日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

中部空港に到着した大韓航空の釜山発KE753便のA220。奥はエアアジア・ジャパンのA320=18年11月5日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

中部空港に到着した大韓航空のA220-300の機内。1列2-3席配列で進行方向右側は3席となる=18年11月5日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

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