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伊丹と関空1タミ、施設使用料を徴収 10月から

 関西空港と伊丹空港を運営する関西エアポートは、伊丹と関空第1ターミナルを発着する国内線の利用者を対象に、旅客サービス施設使用料(PSFC)を冬ダイヤが始まる10月28日から徴収する。

関空第1ターミナル発着の国内線とともに旅客サービス施設使用料を10月から徴収する伊丹空港=18年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 1人あたりの金額は税込みで、伊丹が大人260円、12歳未満の子供130円、関空1タミが大人430円、子供220円。すでに関空第1と第2の国際線、第2の国内線はPSFCを導入済みで、従来の金額から変更はない。

 今回導入するPSFCは現在、航空会社が負担。今後は利用者が航空運賃とともに航空会社へ支払い、これを航空会社が関西エアポートに払う。

 関西エアポートでは、徴収したPSFCの使途について、伊丹のターミナル改修工事などに充てるとしている。

 関西エアポートの2018年3月期通期の連結決算は、売上高が前期(17年3月期比)15%増の2064億円、EBITDA(利払前税引前償却前営業利益)が19%増の914億円、営業利益が40%増の529億円、経常利益が60%増の418億円、純利益が67%増の283億円と、旺盛な訪日需要を追い風に、2年連続で大幅な増収増益だった。

 一方で、今期の業績見通しはほかの空港会社や日系企業と異なり、さまざまな理由を付けて開示しないなど、情報公開は国が経営に関与していた時代よりも消極的だ。また、今年3月までに構想を示すとしていた関空1タミの改修も、公表が遅れている。

 関西エアポートはオリックス(8591)と仏空港運営会社ヴァンシ・エアポートのコンソーシアム(企業連合)が2015年12月に設立。関空と伊丹の運営は、国に所有権を残したまま運営権を売却する「コンセッション方式」で同社に委託されている。

 大手航空会社などが加盟するIATA(国際航空運送協会)のアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEO(最高経営責任者)は6月に、「われわれの調査では、民営化された空港で効率性や投資水準が向上していないことがわかった。民営化に、すべての答えがあると仮定するのは間違いだ」と述べ、安易な空港民営化に警鐘を鳴らしている。

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