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ピーチ、パイロット育成制度の募集開始 19年4月から訓練

 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、パイロットを目指す人を支援する制度「Peachパイロットチャレンジ制度 with AIRBUS」の募集を8月6日から始めた。エアバスや三井住友銀行(SMBC)とともに、訓練費用などをサポートする。訓練開始は、2019年4月1日を予定している。

パイロットを目指す人の支援制度を始めたピーチ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 募集人数は若干名で、パイロット免許を保有していない人が対象。制度の選考に合格した人は、「パイロットチャレンジ生」としてピーチに入社する。

 訓練費用は自己負担だが、約2年間の訓練期間前半は「チャレンジ手当」として毎月23万円支給。SMBCがローンを用意する。後半の訓練費用はピーチが負担し、訓練生として給与を支給する。

 訓練前半は、日本で学科訓練を受講し、航空無線通信士と自家用操縦士の学科試験に合格後、ニュージーランドで事業用の飛行訓練、英国で双発機の計器飛行訓練を受け、EASA(欧州航空安全局)のパイロットライセンスを取得する。

 前半の訓練を終えて帰国後、ピーチの自社養成パイロット訓練生としての入社を希望し、選考に合格すると、訓練後半で国土交通省航空局(JCAB)のライセンスへの書き換え訓練を受ける。JCABのライセンス取得後は、副操縦士への昇格訓練を受け、ピーチの副操縦士を目指す。

 訓練期間中は、ピーチのパイロットによるサポート体制を敷く。病気などで訓練が続けられなくなった場合は、ローンの返済を免除する仕組みも用意した。

 応募資格は、2019年4月1日時点で、4年制大学に2年以上在学し全修得単位数が62単位以上の人か、短大や高専、4年制大学を卒業または大学院を修了した人、これらと同等の以上の学力を有するとピーチが認めた人。英語能力は、TOEIC600点相当以上が必要で、各眼の矯正視力が0.7以上であることなどが条件となる。

 ウェブエントリーの締切は9月5日で、8月中旬から9月中旬に開かれる説明会に参加後、9月17日までに書類を提出する。その後は10月に書類選考と1次試験、11月に2次試験、12月に3次試験、2019年1月に4次試験を行い、2月に内定を出す。

 ピーチはこれまで、航空大学校や私立大学のパイロット養成課程を卒業し、他社でライセンスを取得した人を採用して、副操縦士を社内で養成してきた。同社はアジアNo.1のLCCの座を目指しており、路線網拡大に不可欠なパイロットを自社養成することで、世界的なパイロット不足に対応していく。

関連リンク
Peach採用サイト [1]

ピーチの動向
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