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バニラエア、成田の入管未通過で改善措置 「共通手順書」で明文化

 バニラエア(VNL/JW)は7月31日、国際線旅客の一部が入国審査を受けずに入国した問題について、国土交通省航空局(JCAB)に改善措置を提出した。再発防止に向けた体制を構築し、意識の再徹底を図る。バニラは石井知祥会長や五島勝也社長ら5人の経営陣に対し、減俸1カ月の処分を下した。

国交省に改善措置を提出したバニラエア=16年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 6月18日午後10時すぎ、バニラの香港発成田行きJW304便(エアバスA320型機、登録番号JA07VA)の乗客168人のうち、34人が入国管理局による審査を受けない状態で一時入国した。34人は駐機場からターミナルへ向かう構内バス3台のうち最後の1台に乗車したところ、バスの運転手が誤って国内線用バスゲートで乗客を降ろした。

 34人のうち、24人は再度バスに乗車して本来到着すべき国際線バスゲートへ向かい、入国審査を受けた。残り10人は手続きせずに成田空港を立ち去ったが、翌日以降に全員が審査を終えた。乗客を誤誘導したバスは、東京空港交通が運行していた。

 JCABは6月27日、バニラに対し業務改善勧告した。

 バニラと東京空港交通、成田国際空港会社(NAA)の3社は、再発防止策の周知を徹底。自社や委託先での社員への教育体制を構築し、再発防止策の定着を図る。防止手順を明文化した「共通手順書」を設定し、各社での定期的な業務点検に加え、3社合同での会議や巡視による横断的に点検する。3社は、国際線で到着する旅客への輸送業務運用に関する覚書を締結し、相互に点検や報告、協議する管理体制を構築する。

 バニラは全社員を対象に、輸送の責任主体であることを再徹底するための社員意識教育を実施する。また、5人の経営陣に対し、1カ月の報酬減額処分を下した。石井会長と五島社長がそれぞれ30%減額、田中龍郎副会長と山室美緒子副社長、オペレーション本部長の猪木康正常務が、それぞれ10%減額となる。

 バニラと東京空港交通による同様のトラブルは、2016年4月17日にも発生。この時の再発防止策では、電話のみだった配車連絡を、ファクスを送信するように改めていた。

関連リンク
バニラエア [1]
国土交通省 [2]
東京空港交通 [3]
成田空港第3ターミナル [4]
入国管理局 [5]

6月18日、香港着便で発生
国交省、バニラエアに業務改善勧告 成田の入管未通過入国で [6](17年6月27日)
バニラエア、バス誤誘導で再発防止策 成田で入管未通過 [7](17年6月24日)
香港からの10人、成田で入管未通過 バニラエア、構内バス誤誘導で [8](17年6月19日)

前回は16年4月発生
バニラエアの入管未通過入国、バス会社が誤認 国交省に再発防止策 [9](16年4月23日)
国交省、バニラエアに厳重注意 入管未通過の入国で [10](16年4月20日)
台北からの乗客50人、審査通過せず入国 バニラエア、成田着便で [11](16年4月18日)

【お知らせ】
タイトルをYahoo! ニュース配信分と合わせました。(17年7月31日 14:30 JST)