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JAL、成田空港の接客No.1に2年目尾野さん 地上係員の全国大会進出

 日本航空(JAL/JL、9201)は9月2日、成田空港に勤務する地上旅客係員(グランドスタッフ)の接客技術を競う「N-1グランプリ 2016」を、空港内のオペレーションセンターで開催した。予選を勝ち抜いた9人が参加し、「N-1(成田のナンバー1)」を目指して日ごろの接客技術を競った。

N-1グランプリのロールプレイ審査で中国人客役の社員を応対する優勝した尾野さん=16年9月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 成田空港のチェックインカウンターや搭乗口での業務は、JALの子会社JALスカイの成田事業所が担当。JAL便のほか、海外から乗り入れる航空会社の業務も受託している。旅客係員は、第1部から第3部まで3つの部に分かれてシフトを組んでおり、1つの部が約300人、計900人が働いている。

 大会は今回で4回目を迎え、3つ部から予選や選考を勝ち抜いた9人が参加。審査はアナウンスと接客の2項目で実施された。1位から3位を受賞した3人は、11月に全国の旅客係員が羽田に集まり、接客技術を競う「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」に、成田代表として出場する。

 2日の午前中に行われたアナウンス審査は、日本語と英語の定型文を読み上げるものと、天候不良などイレギュラーに対応するものの2種類。イレギュラーの内容は大会当日の朝に発表され、適切なアナウンス内容を即座に組み立てられるかも評価された。

 午後の部となるチェックインカウンターでの接客技術を審査する「ロールプレイ審査」では、近年増えている中国人客、ロサンゼルスに赴任した夫のもとへ引っ越す妊娠した母親と小さな子供、ニューヨークへ出張する米国人女性2人組、友達同士でソウル旅行へ向かう女性2人組が登場。8分間の審査に登場する4組の乗客は社員が演じ、それぞれの乗客の特徴をつかんだ演技で会場を沸かせた。

 1番目の中国人客は、日本語も英語も話せない男性客を想定。どちらの言葉も通じないと察すると、出場者は身振り手振りや簡単な中国語で、機内に持ち込めない危険物の確認や、要望を聞き取っていた。

 優勝したのは、成田事業所第2部の尾野彩佳さん(21)。第2位は第3部の佐藤綾さん(25)、第3位は第1部の平坂彩さん(23)が選ばれた。尾野さんには、優勝者の証となるティアラと賞状が贈られた。

 尾野さんは入社2年目で、ファーストクラスカウンターなどを担当するプレミアムグループに所属。N-1に出場したことで「自分の接客を見直しました」という尾野さんは、感謝の気持ちを忘れずに接客するよう、心掛けている。各出場者が最初に接客した中国人客役との会話は「普段から難しいです」と話した。

 3人は11月14日のプロフェッショナルコンテスト予選、15日の本選に挑む。審査員長を務めた業務部の大八木淳子部長は、「10年ほど前に成田のアナウンス審査から始まり、羽田のコンテストが開かれるようになったが、成田の接客が一番だと思います」と3人を激励。11月に開かれるコンテストの源流を生み出した成田の優勝を祈った。

 前回2015年11月開催の第4回プロフェッショナルコンテストでは、福岡空港の田島由佳里さんが優勝。準優勝は成田空港の福島英峰(ひでたか)さん、審査員特別賞には福岡空港の緒方良美さんが選ばれた。

*N-1グランプリの特集はこちら [1]

チェックインカウンターに立つ尾野さんの前に並ぶ4組の乗客役。ロールプレイでは8分以内にどういった接客が出来るかを審査された=16年9月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

優勝者の証となるティアラを大八木部長(左)から贈られた尾野さん=16年9月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

優勝した尾野さん=16年9月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

優勝した尾野さん(中央)と第2位の佐藤さん(左)、第3位の平坂さん=16年9月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
日本航空 [2]
JALスカイ [3]

特集・成田空港のJAL接客No.1選ぶN-1グランプリ
「空港は毎日が想定外」 [1](16年9月7日)

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