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エアバス、A320増産へ 月産60機、ハンブルクに第4ライン新設

 エアバスはA320型機の生産レートを、現在の月産42機を2019年に60機へ引き上げる。独ハンブルクの最終組立工場に4番目のラインを設けるほか、製造工程の見直しなどで増産に対応する。

A320の第4生産ラインを新設するエアバスのハンブルク工場=13年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 A320ファミリーの最終組立工場は、仏トゥールーズと独ハンブルク、中国の天津、米国アラバマ州モビールの4カ所。2003年に20機だった生産レートは2010年に月産36機、2015年に42機へ引き上げられ、2017年に50機に達する見通し。2019年には、月産60機に引き上げる。

 エアバスのトム・ウィリアムスCOO(最高業務責任者)は、現地時間5月30日にハンブルクで開いた報道関係者向け説明会で、ハンブルク工場に新設する第4ラインについて「A380を製造していたエリアを転用する」と語った。第4ラインの稼働は2017年中頃になる見込み。

 4月末現在、A320ファミリーの総受注数は1万2499機で、7020機を引き渡し済み。受注残は5479機で、現在の生産レートでは完納までに10年以上掛かる。

 ハンブルク工場の第4ライン新設に加え、トゥールーズ工場の製造工程を見直し。現在はトゥールーズ工場で完成させる機体は一度ハンブルクへ持っていき、シートやギャレー(厨房設備)、ラバトリー(化粧室)など客室内装を施して戻している。この工程をトゥールーズでも行えるようにし、製造期間の短縮を図る。

 日本の航空会社では、A320は全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)と、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)、バニラエア(VNL/JW)が導入済み。ANAホールディングスは、A321とA320のエンジン換装型で燃費を向上させたA320neo、長胴型のA321neoを発注しており、2016年度から2021年度にかけて順次受領する。

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