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ホンダジェット、FAAの型式証明取得 引渡開始へ

 本田技研工業(7267)の米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は現地時間12月9日、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」がFAA(米国連邦航空局)の型式証明を取得したと発表した。機体の安全性をFAAに証明できたことで、機体の引き渡しが可能になった。

FAAの型式証明を取得したホンダジェット=15年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 12月8日付で取得した。FAAによる試験は、米国内31州の54空港で実施。さまざまな運航条件下での離陸・巡航・着陸試験、飛行中のシステムの故障シミュレーション、高温、低温、高湿度など各種環境下での飛行試験、計器着陸試験を重ねた。

 これらの試験を含め、ホンダジェットの試験は米国内70カ所以上で実施。試験時間は3000時間を超えるという。

 現在はHACIの本社工場(米・ノースカロライナ州グリーンズボロ)で、25機の最終組立を実施。顧客への引き渡しを年末に予定している。

 ホンダジェットは2015年4月から、米国以外での公開は初めてとなるワールドツアーを実施。日本を含む13カ国に飛来するもので、量産16号機(登録番号N420HE)が4月23日、羽田空港に到着した。25日に羽田空港の格納庫でメディア向けに公開後、25日に仙台空港、26日に神戸空港、29日に熊本空港、5月2日から3日までは岡山市の岡南飛行場で、4日には成田空港でデモ飛行や見学会を実施し、空港を訪れた多くの人を魅了した。

 その後、5月には欧州、8月には南米の展示会に出展。受注拡大を目指している。

 ホンダジェットはHACIが開発。主翼上に配された低騒音エンジンや複合材を使った胴体、標準仕様で乗客4人が乗れるゆったりとした客室などが特徴。エンジンは米GEとの合弁会社GEホンダ製HF120を搭載し、パイロット1人でも運航できる。

 これまでに100機以上を北米と欧州で販売。3月にFAAの事前型式証明(PTC)を取得しており、顧客への引き渡しも間近に迫っている。主に個人や企業の自家用機として、購入されているという。

型式証明取得を祝うHACIの藤野道格社長(中央)と関係者ら(ホンダ提供)

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HondaJet [1]
National Business Aviation Association Convention and Exhibition (NBAA) [2]

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