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ルフトハンザ再編、3社統合 ジャーマンウイングス消滅

 ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)は、2016年1月にルフトハンザグループのフルサービス航空会社(FSC)3社を経営統合する。各々のブランド名は存続する。今年11月にはグループ内のLCCを統合し、組織を再編。効率化でコスト削減を図る。

グループ再編を発表するガーナートCEO=10月20日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

FSC個々のブランド名は存続

 ルフトハンザのカール・ウルリッヒ・ガーナートCEO(最高経営責任者)が10月20日、都内での記者会見で明らかにした。統合するのはルフトハンザとオーストリア航空(AUA/OS)、スイス インターナショナル エアラインズ(SWR/LX)。1月1日付で新体制に移行する。

 経営統合により、路線計画や航空券の価格設定、マーケティング、新製品開発などで一本化する。ガーナートCEOは「3社が同じ傘下に収まることで、迅速な意思決定が可能になる。機材面やそのほかの交渉で優位に進めることができる」と、経営統合のメリットを強調した。

LCCはユーロウイングスに統一

 11月からは、グループ内のLCC2社を再編する。ユーロウイングス(EWG/EW)がジャーマンウイングス(GWI/4U)を吸収し、ユーロウイングスに段階的に統合していく。ルフトハンザなど3社が拠点(ハブ)とするフランクフルト、ミュンヘン、ウィーン、チューリッヒを介さない、地点間(ポイント・トゥ・ポイント、P2P)路線を強化することでFSCとの差別化を図る。ケルンを拠点とする。

 ユーロウイングスでは、欧州間路線だけでなく、大陸間の長距離路線も運航。11月2日からはバンコクとプーケット、ドバイ、ドミニカのプンタカナとプエルトプラタ、キューバのバラデロに乗り入れる。運航機材はエアバスA330-200型機で、プレミアムエコノミーとエコノミー2クラスを設定。機内Wi-Fiも提供する。また、11月にはユーロウイングスを補完する「ユーロウイングス・ウィーン」をオーストリアで発足させる。

 1月から、ガーナートCEOがユーロウイングスを率いる。ガーナートCEOは現職に留まりつつけん引していく。ガーナートCEOはユーロウイングスを、ライアンエア(RYR/FR、アイルランド)、イージージェット(EZY/U2、英国)に次ぐ欧州内3番目のLCCに成長させたいとし、「この2社に並ぶのは難しい。3位に食い込むのは野心に満ちたゴールだと思っている」と述べ、「ルフトハンザグループ全体では欧州1位でありたい」と続けた。

 ガーナートCEOは2014年10月に来日した際、長距離LCCについて「ルフトハンザとは別ブランドで、観光路線の機体を使うことを考えている」と計画を示していた。

関連リンク
Lufthansa Group [1]
ルフトハンザ ドイツ航空 [2]
オーストリア航空 [3]
スイス インターナショナル エアラインズ [4]
Germanwings [5]

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