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被災空港のダイバート先、瞬時に選定 国交省、16年度から新システム

 国土交通省は8月26日、南海トラフ巨大地震や首都直下地震に関する重点対策を決定する対策本部を開催し、空港が被災した場合に最適なダイバート(目的地外着陸)先を選定するシステムを、2016年度から本格運用することを決定した。

システム導入前と導入後のダイバート運用方法(国交省の資料から)

 「緊急ダイバート運航総合支援システム」で、飛行中の航空機を安全に、効率的に着陸させる。これまで人力に頼っていた情報収集をシステム化することで、ダイバート先を速やかに選定する。

 導入後は、空港が入力した被害状況などをシステムを利用して把握。航空機からの残燃料などのデータと照らし合わせて、着陸できる空港を選ぶ。

 これまでは、各空港の被害状況や飛行中の多数の航空機の残燃料などを電話などで把握し、それぞれの航空機ごとに最適なダイバート先を人力で選定。電話連絡や無線交信での情報収集、多くの人員と時間が必要だった。

 同システムの本格導入は2016年度から。2015年度は運用開始に向け、福岡県の航空交通管理センターで整備を進める。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災では、86機のダイバートを実施した。

 南海トラフとは静岡県沖から宮崎県沖にかけて存在する溝(トラフ)で、日本列島が位置する大陸プレートにフィリピン海プレートが沈み込むことで「ひずみ」を蓄積。これを解放することにより大地震が発生する仕組み。

 文部科学省の特別機関、地震調査研究推進本部は、南海トラフを震源とする地震は今後30年以内に70%の確率で発生するとし、地震規模はマグニチュード8から9クラスと予測している。

関連リンク
国土交通省 [1]

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