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「成田でいいから東京飛んで」首都圏進出、利用者が背中押す ピーチ井上CEOインタビュー(中)

 3月1日で、就航3周年を迎えたピーチ・アビエーション(APJ/MM)。全3回となる井上慎一CEO(最高経営責任者)への単独インタビュー第2回は、本格化する首都圏(成田・羽田)乗り入れ計画や機材調達、LCC(低コスト航空会社)の今後あるべき姿など、展望を聞いた。

*ピーチが求める人材像や4年目に目指す姿を取り上げた下編はこちら [1]
*ピーチを巡る変化や第2拠点である那覇空港の課題に触れた上編はこちら [2]

─ 記事の概要 ─
「付帯」は止めよう
成功する4つの要素
今は安かろう悪かろうではない

「付帯」は止めよう

──LCCと言えば、付帯ビジネスの収入が重要になってくる。

3年前、日本初のLCC初便を見送るピーチの井上CEO(右)と客室乗務員=12年3月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

井上CEO:(就航から3年が経ち)いろいろな知識や情報が合わさってきた。機内食も関西にローカライズして、とんがったコンセプトでやっている。これが他社との差別化やリピートにつながっている。

 昨年、機内食で桜餅を出したら受けた。お客様からは「今年もやるんでしょ?」と聞かれる。今年は(京都銘菓の)おたべさんの「八ツ橋」を出す。

 機内食で出したお好み焼き「千房」の社長は、ピーチの価値観を共有してくださっている。地上の店舗とまったく同じにするということで、お好み焼きはチルドで提供していただいている。

──付帯ビジネスと航空券の収入比率は。

井上CEO:普通。まだ成長していない。しかし、われわれは航空券だけを売る会社ではないので、「付帯」という言い方は止めよう、という話も出ている。

成功する4つの要素

──羽田の国際線就航の見通しは。

井上CEO:何も決まっていない。2020年の東京五輪を目指して、昼間の発着枠も増えるだろう。深夜早朝枠で他社がやるなら、うちもやるということ。指をくわえて見ていて、遅れるわけにはいかない。

 以前から羽田(の情勢)をウォッチしているのは間違いない。

──成田拠点化はなぜ進めているのか。

成田初便の機体は篠田麻里子さんの写真が描かれた「マリコ・ジェット」だった=13年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

井上CEO:実は関空-成田線は前倒しして就航した。お客様から「成田でいいから、東京に飛んでよ」というリクエストが多く寄せられた。

 同様のことが今回、