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ANA、777F大型貨物機検討へ 太平洋路線に

 ANAホールディングス(9202)は、1月30日に発表した2014-16年度のANAグループ中期経営戦略ローリングプランで、航空貨物事業について大型貨物機の導入を検討する意向を示した。ボーイング777F型貨物機を視野に、検討を進める。

*777Fを2機導入へ。記事はこちら [1]

沖縄貨物ハブに駐機中のANAの貨物機=14年2月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAグループは中型機のボーイング767-300F/BCF型貨物機を計10機保有しており、このうち7機が同社の旅客機から改修した767-300BCF。2015年冬ダイヤから11機目として767-300BCFを投入し、2016年度に中古の767-300Fをリース導入して12機体制を構築する。2009年に運用を開始した沖縄貨物ハブを中心に、路線や便数の再編を進める。

 現在同社の貨物専用機は767のみで、長距離国際線は777や787など旅客機の床下(ベリー)や、共同事業(JV)を展開するユナイテッド航空(UAL/UA)の貨物スペースを利用して輸送している。

 777F導入を検討する背景として、ANAHD経営戦略部長の長峯豊之上席執行役員は、「アジアの貨物需要が旺盛で、キャパシティー不足になる」と今後の見通しを説明。アジアと北米を結ぶ太平洋路線への導入について検討する。

 777Fは旅客機の777-200LRを母体に開発された貨物機で、2005年にローンチ。初号機は2009年2月に、ローンチカスタマーのエールフランス航空(AFR/AF)に引き渡された。エンジンは777-200LRと同じ米GE製GE90-110B1を搭載する。最大離陸重量は76万6000ポンド(34万7450キログラム)、航続距離は4885海里(9045キロメートル)となっている。

 2014年12月末時点で144機を受注し、99機を引き渡し済み。AFRのほか、ルフトハンザ・カーゴ(GEC/LH)やフェデックスの航空貨物子会社フェデックス・エクスプレス(FDX/FX)などが導入している。

 一方、747-8F貨物機の導入の可能性については、長峯上席執行役員は「4発機は運航コストの面で難しい」とAviation Wireに語った。

関連リンク
全日本空輸 [2]
ANAカーゴ [3]

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