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スカイマーク、成田撤退と米子便再編 10月から羽田強化

 スカイマーク(SKY/BC、9204)は8月14日、成田空港からの撤退や米子路線の再編など、10月26日から始まる冬ダイヤのうち12月25日までの運航スケジュールを明らかにした。4路線の運休と2路線の経由便化により、冬ダイヤの直行便は23路線となる。

成田から撤退するスカイマーク=14年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 成田撤退により、成田-札幌線、那覇線、米子線の3路線(1日2往復ずつ計1日6往復)を運休し、事務所も引き払う。4月18日就航の茨城-中部線(1日1往復)も、ロードファクター(座席利用率)低迷により運休。昨年12月に開設後、低迷が続く米子路線については、羽田-米子線(1日2往復)と米子-札幌線(1日1往復)の2路線を、直行便から神戸経由便に再編する。

 羽田-米子線運休により浮いた発着枠は、羽田-福岡線と神戸線に1往復ずつ転用。福岡線は1日11往復、神戸線は1日7往復に増便する。福岡線は、羽田発福岡行き最終BC027便と福岡発羽田行き始発BC002便を除き、座席幅が広い「グリーンシート」を備えたエアバスA330-300型機(271席)で運航する。

 現在SKYが運航する機材は、ボーイング737-800型機(177席)が30機、A330-300が3機で、いずれもリース機。737のうち1機は12月でリース契約が終わるため、10月から運航を離れて返却整備に入る。

 SKYが成田に就航したのは2011年10月30日。総2階建ての超大型機エアバスA380型機導入時の発着枠確保や、2012年のLCC就航を見据えて進出した。A380では同社初の国際線定期便として、成田-ニューヨーク線を2015年夏までに開設する予定だった。

 2017年までに6機の導入を計画していたA380を巡っては、7月29日にエアバス側が全機の契約解除をSKYに通告。違約金として7億ドル(約700億円)が発生すると言われており、このほかにエンジンメーカーである英ロールス・ロイスをはじめ、シートやギャレー(厨房設備)のメーカーからも違約金を求められる可能性がある。

 7月31日に発表した2014年4-6月期(第1四半期)の決算は57億9500万円の最終赤字。決算短信の継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に「重要な疑義がある」との注記が付いた。

 SKYは不採算路線の整理と羽田路線強化、機材の運航効率向上で、経営を立て直す。

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