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ボーイング777X、787並みの気圧と湿度に

 ボーイングは現地時間7月15日、開発中の長距離路線向け大型機777Xの機内環境を、787のものをベースに開発を進めると、英国で開催中のファンボロー航空ショーで発表した。

777Xの機内イメージイラスト(ボーイング提供)

 客室内の気圧は787と同等の6000フィートに設定。湿度も787と同等にし、787で好評だった空気清浄機やLED照明も導入する。窓の大きさは、エアバスの競合機A350 XWBと比較して約15%大型化し、乗客の目線と同じ高さになる胴体のやや上側に設置する。

 客室幅はA350との比較で16インチ(約40.6センチ)広く、個室感のある客室レイアウトが可能。エコノミークラスの座席幅も、エアバス機と同じ最大18インチまで広げられるようにした。

 客室内の騒音も、高バイパス比の米GEアビエーション製新型エンジン「GE9X」や新型エンジン・ナセルの採用、機内防音設備の改善で軽減する。また、客室内に空気を送り込むノズルを倍増することで空気の流れを低速にし、低騒音化を実現する。

 777XはGE9Xエンジンのほか、複合材を使用した高効率新型主翼など、多くの最新技術を採用。新型主翼は現行の777の主翼よりも長く、折りたたみ式ウィングチップと合わせ、運航中に効率性を高めて燃料消費量を大幅に抑制し、地上では搭乗ゲートへの適応柔軟性を有する。これらの新技術により、従来より燃料消費量が12%改善する。

 生産開始は2017年、初号機の引き渡しは2020年を予定。3クラスの標準座席数は777-8Xが350席、777-9Xが400席、航続距離は777-8Xが9300海里(1万7220キロメートル)以上、777-9Xが8200海里(1万5185キロメートル)以上を計画している。

 製造には日本企業5社も参画。三菱重工業(7011)と川崎重工業(7012)、富士重工業(7270)、新明和工業(7224)、日本飛行機が参画し、現行の777と同じ主要構造部位の約21%を日本企業が分担する。

 これまでに6社から300機を受注または発注コミットメントを獲得している。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が今年3月、777-9Xを777-300ERの後継機として20機発注した。

関連リンク
Boeing [1]
ボーイング・ジャパン [2]

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