エアバスは現地時間3月16日、アトラスエアー(GTI/5Y)などを傘下に持つアトラス・エア・ワールドワイドが、開発中の大型貨物機A350Fを20機確定発注したと発表した。米国初となるA350Fの発注で、20機のオプションも設定し、アトラスは同型機の最大顧客となる。

アトラスエアーのA350F(イメージ、エアバス提供)
引き渡しは2029年から2034年を予定。アトラスは現在、ボーイング747型機、777、767を計113機運航しており、長期的な機材戦略の重要投資と位置付けたA350Fで、既存機を補完する。
アトラスは世界最大のワイドボディー貨物機オペレーターで、市場シェアは約13%としている。新機材の導入で、世界の貨物便とチャーター市場での供給力を広げる。
A350Fは開発中の大型貨物機で、ペイロード(有償搭載量)は最大111トン、航続距離は8700キロメートル(4700海里)を計画し、全長70.8メートルは標準型のA350-900の66.8メートルと、長胴型のA350-1000の73.79メートルの間の長さとなる。エンジンはロールス・ロイス製Trent XWB-97を選定している。
エアバスによると、A350Fは2027年に発効するICAO(国際民間航空機関)の強化CO2(二酸化炭素)排出基準を完全に満たす唯一の貨物機。業界最大のメインデッキ貨物ドアを備え、胴体長と容量は標準パレットやコンテナ向けに最適化した。機体構造の70%超に先進素材を採用し、競合する派生型貨物機より離陸重量を46トン軽くしたという。

A350Fを発注したアトラスのマイケル・スティーンCEO(左)とエアバス商用航空機部門のブノワ・ド・サン=テグジュペリEVP(イメージ、エアバス提供)
アトラスのマイケル・スティーンCEO(最高経営責任者)は、旧型のワイドボディー貨物機の退役が進む一方、新規供給は限られ、大型ワイドボディー貨物機市場は制約が続くとの見方を示した。その上で、今回の発注で早期の引き渡し枠を確保し、世界の航空貨物需要の伸びに対応する体制を整えるという。
エアバスのラース・ワグナー商用航空機部門CEOは、アトラスをエアバス・ファミリーに迎えることを歓迎。今回の受注について、米国で初のA350F受注であり、同型機が新世代貨物機としての地位を固める節目になるとした。
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