マイル最上位会員を株主になってゲット──。全日本空輸(ANA/NH)の最上級ステータス「ダイヤモンドサービス」の一部特典を、一定条件を満たす株主向けに提供する制度を持株会社のANAホールディングス(ANAHD、9202)が導入する。現在の株価では、6000万円程度でダイヤモンド会員になれる計算だ。

ダイヤモンド会員が利用できる羽田空港第2ターミナル国際線施設のANAスイートラウンジ=HOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
新制度は、2026-2028年度のANAグループ中期経営戦略で1月30日に発表されたもの。大口の長期保有株主を対象に、ダイヤモンドサービスの特典を体験できるようにする。搭乗実績ではなく株式保有を基準としたステイタス提供が特徴となる。
毎年9月末の基準日で2万株以上を3年以上(連続7基準日以上)、同一の株主番号で継続保有している個人株主が対象。条件を満たした株主には個別に案内し、ダイヤモンドサービスの一部特典を提供する。1月30日の終値1株3005円を基に計算すると、おおむね6000万円程度で手にすることができる。
ANAのマイル制度「ANAマイレージクラブ(AMC)」は、搭乗実績などに応じて最上位ステータス「ダイヤモンド」、これに次ぐ「プラチナ」、3番目の「ブロンズ」があり、「プレミアムメンバー」と位置づけている。また、上位会員向けカード「スーパーフライヤーズカード(SFC)」があり、アップグレードポイントはプレミアムメンバーとSFC本会員が利用できる。
現行の「ダイヤモンドサービス」メンバーの達成条件は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に、所定の基準を満たす必要がある。基準のひとつは搭乗実績のみを対象とするもので、年間10万プレミアムポイント(PP)以上(うちANAグループ運航便利用分5万PP以上)の獲得が必要となる。
このほか、搭乗実績に加えてANAグループが提供する「ライフソリューションサービス」の利用や、ANAカードやANA Payの決済額などを組み合わせて達成できる基準も用意している。今回の新制度は、こうした搭乗実績や決済額にかかわらず、株式の保有数と期間のみでステイタスを得られる点が特徴となる。
また、株主還元では、配当性向20%程度を維持しながら、安定配当に加えて機動的な自己株式取得を行う方針。2026年度からは中間配当制度を導入して年2回配当とし、株主優待制度も2026年6月以降に刷新・拡充する。現行の「フレックス(50%割引)」に加え、低価格帯の「シンプル運賃」を5%割引で利用できる設定や、国内・海外ツアー商品の割引率を実質10%程度に引き上げること、3年以上保有する株主を対象とした国内線搭乗優待の優遇、傘下のLCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)便を対象とした株主優待の新設などの案を示している。
関連リンク
全日本空輸 [1]
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