ANAホールディングス(ANAHD、9202)は1月30日、2026-2028年度のANAグループ中期経営戦略を発表し、全日本空輸(ANA/NH)が運航しているボーイング777F貨物機の運航を、グループ会社化した日本貨物航空(NCA/KZ)と分担する方針を示した。大型貨物機の運航をNCAが担う形にグループ内で構造改革を進める。

NCAと運航分担するANAの777F貨物機=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ANAグループの貨物機は、ANAが大型機の777Fを2機と中型機の767Fが6機の計8機で、このほかに旅客機の床下貨物スペース(ベリー)がある。2025年8月にANAHDが完全子会社化したNCAは、特大貨物も搭載できる747-8Fが8機と747-400Fが7機の計15機体制で、グループ全体の貨物機は23機となった。
今回の計画では、ANAが運航している2機の777Fを、NCAのパイロットが操縦する体制にする。双発機が洋上を長時間飛行する際に必要な航空当局の承認「ETOPS(イートップス)」に対応した整備体制を、NCAにも構築する。機体の塗装は現行のままとなる見通しで、新たな運航体制の開始時期は今後調整していく。
一方、ANAの旅客便で使用する777は、今回の運航分担に含まれていない。ANAグループは、2026年度末までの貨物事業再編を目指しており、構造改革の一環として、NCAは777のパイロットを自社で用意する。
NCAは747の後継機として、ボーイングの次世代大型機777Xの貨物型777-8Fの導入を検討。大型貨物機の運航は、AOC(航空運送事業許可)を維持しているNCAに集約してグループ内の役割分担を明確にし、現行機777Fの運航体制を構築しながら機材更新に備える。

ANAの777F(手前)とNCAの747-8F=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

747-8FをはじめANAグループの大型貨物機の運航を担うNCA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
貨物事業は、2030年度の国際貨物の事業規模(有効トンキロ)を2025年度比で約3割増とする計画。ANAとNCAの一体運営でシナジー効果300億円の創出を掲げ、北米路線を増強してアジア-欧米間の成長需要の取り込みを強化し、旅客便と貨物便の両方を扱う「コンビネーションキャリア」としての競争力向上を図る。
ANAHD傘下の貨物事業会社はNCAのほか、グループの貨物事業の中核を担うANAカーゴ(ANA Cargo)、国際物流を担う「OCS」、グループ内で使用する物品の輸出入通関を担う「インターナショナル・カーゴ・サービス」がある。
関連リンク
全日本空輸 [1]
ANAカーゴ [2]
日本貨物航空 [3]
ANAとNCA
・ANA、貨物事業会社を再編へ NCAのAOC継続 [4](25年12月23日)
・ANAとNCA、欧米貨物便でコードシェア 10/26から [5](25年10月24日)
・NCA、成田-フランクフルト就航 747-8Fで週2往復 [6](25年9月5日)
・NCAパイロット待遇、本間社長「最重要課題」ANAグループ入りで [7](25年8月7日)
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ANAの777-8F
・ANA、777X貨物機と737MAX発注 片野坂HD会長「安全性保証されていると確信」 [9](22年7月19日)