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リチウム電池が手荷物収納棚で発火 杭州発ソウル行きCA139便、上海へダイバート

 現地時間10月18日、中国国際航空(エアチャイナ、CCA/CA)の杭州発ソウル(仁川)行きCA139便(エアバスA321型機、登録記号B-8583)が飛行中、乗客が手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)に収納したリチウム電池が機内で自然発火し、上海浦東国際空港へダイバート(目的地変更)した。

中国国際航空の杭州発ソウル仁川行きCA139便の位置情報(Flightradar24から。実際の位置とは誤差がある場合があります)

 中国国際航空の声明によると、「頭上の荷物棚に収納されていた機内持ち込み手荷物内のリチウム電池から自然発火する事故に遭遇した。乗務員は直ちに手順に従って対応し、負傷者は出ていない」という。同社のウェブサイトによると、CA139便は定刻では杭州を午前9時10分に出発して、ソウルへ午後0時20分に到着する運航スケジュールだが、杭州を18日午前9時47分に離陸し、上海へ午前11時5分に着陸した。その後、別の機材(A321、B-6883)に変更し、上海を午後3時3分に離陸して、ソウルには午後5時33分に着陸し、同44分に到着した。

 航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」によると、CA139便は杭州を離陸して約40分後、東シナ海上空の高度3万3000フィート(約1万58メートル)を飛行中、左旋回して浦東空港へ向かったことから、その少し前にバッテリー火災が発生したとみられる。

 乗客がSNSに投稿したとみられる動画では、手荷物収納棚の中で炎が出ている様子が収められていた。

 モバイルバッテリーが原因の航空機火災やトラブルが相次いだことから、主な製造国とみられる中国では、中国民用航空局(CAAC)が「3C認証」マークのないモバイルバッテリーを中国国内線の機内へ持ち込むことを6月28日から禁止している。

 日本でも、国土交通省航空局(JCAB)がモバイルバッテリーの機内持ち込み方法を7月8日から変更。頭上の手荷物収納棚には収めず、手元で保管するよう求めている。10月9日に、全日本空輸(ANA/NH)の那覇発羽田行きNH994便(ボーイング787-10型機、登録記号JA981A)が那覇空港を離陸直後、乗客が機内に持ち込んだバッテリーから煙が出た際も、座席下に置かれていた乗客の手荷物の中にあったことから、煙に気づいた隣席の乗客が水を掛けて煙がすぐに収まり、乗務員が安全を確認して運航を続けた。

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中国国際航空 [1]

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