- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

ドイツ、ユーロファイター20機追加発注 31年から受領

 エアバスは、ドイツ政府が戦闘機「ユーロファイター」を20機追加発注したと発表した。製造はミュンヘン近郊マンヒングの最終組立ライン(FAL)で行い、2031年に初号機をドイツ空軍へ引き渡し、2034年に最終号機を納入する計画となっている。

ドイツが追加発注したユーロファイター(エアバス提供)

 ユーロファイターは英独伊西の欧州4カ国が共同開発。今回の契約で導入される機体は、最新の電子式E-Scanレーダーなどを搭載し、スウェーデンのサーブが開発した電子戦用センサー「Arexis」も組み込む。エアバスは、新造機だけでなく既存のドイツ空軍機にもこのセンサーを順次適用していく。

 ユーロファイターはドイツ空軍の中核機種で、防空任務やNATO(北大西洋条約機構)の共同防衛で戦力の柱と位置づけられている。独仏西の欧州3カ国が開発を進めるFCAS(将来戦闘航空システム)への移行を見据えた技術的・運用的な橋渡しとしての役割も担い、FCASが2040年に実戦配備された後も、ユーロファイターは有人・無人機との連携体制を維持し、2060年代まで運用される見通しだ。

ドイツが追加発注したユーロファイター(エアバス提供)

ドイツが追加発注したユーロファイター(エアバス提供)

 欧州最大の防衛プログラムであるユーロファイターは、これまでに9カ国から740機以上を受注。ドイツ、イタリア、スペイン、英国、オーストリア、サウジアラビア、オマーン、クウェート、カタールが発注した。現在も生産が続いており、欧州製戦闘機としては最多受注となっている。ドイツ国内では120の企業が同プログラムに関与し、ユーロファイター関連の雇用は欧州全体で10万人を超え、このうち2万5000人がドイツ国内の雇用となっている。

 エアバス・ディフェンス・アンド・スペースのマイケル・ショホローンCEO(最高経営責任者)は、「今回の追加発注は、ドイツ空軍でのユーロファイターの重要性を改めて示すものだ。ドイツの領空監視能力とNATO空域の防衛力を高め、同盟国としての責任を果たす」と述べた。

関連リンク
Eurofighter [1]

ユーロファイター
空自と欧州3カ国が共同訓練 百里に仏ラファール、千歳に独西ユーロファイター到着 [2](24年7月19日)
独空軍ユーロファイター、日本初飛来 総監乗せ百里基地へ [3](22年9月28日)

Airbus Defence and Space
タイ空軍、A330 MRTT+発注 A330neoベースの空中給油・輸送機 [4](25年9月26日)
A330MRTT、自動空中給油の認証7月取得へ A330neoのMRTT+も [5](25年5月11日)

ラファール
ラファール、300機目到達 月産4機に [6](25年10月10日)