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大韓航空、ボーイング機を大量発注103機 777Xや787-10、737-10約7.3兆円規模

 大韓航空(KAL/KE)はソウル時間8月26日、米ボーイング製航空機103機の購入やエンジン整備契約などを含む総額約約500億ドル(約70兆ウォン、約7兆3500億円)を投資すると発表した。契約にはGEアビエーションとCFMインターナショナル製の予備エンジン19基の調達も含まれ、調印式は25日に米ワシントンD.C.で開かれた。

ボーイング機を大量発注した大韓航空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 発注した機材は、777-9(777X)が20機、787-10が25機、737-10(737 MAX 10)が50機、777Xの貨物型777-8F大型貨物機8機の計103機で、2030年末までに段階的に引き渡される。予備エンジンはGE製11基、CFM製8基の合わせて19基を導入する。また、GEとは航空機28機分に対する20年間のエンジン整備契約も締結した。

 発表によると、航空機購入費は362億ドル(50兆ウォン)、エンジン購入費が6億9000万ドル(1兆ウォン)、エンジン整備契約は130億ドル(18.2兆ウォン)となる。

777Xの飛行試験機=23年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

737-10の飛行試験機=22年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今回の大型発注は、アシアナ航空(AAR/OZ)との統合を見据えた機材更新の一環で、長期的な成長を支える戦略的措置と位置づけている。2030年代半ばから後半にかけて予定している投資計画で、航空業界全体に広がる納入遅延の影響も反映している。

 大韓航空は、今後の運航機材を777、787、737、エアバスA350、A321neoの5機種に集約する方針。これにより、運航の安定性と整備効率の向上、燃費改善、CO2(二酸化炭素)排出量の削減、サービス品質の向上を図る。

ワシントンD.C.で開かれた調印式に出席する韓進グループのチョ・ウォンテ会長(中央左)とボーイングのステファニー・ポープ民間航空機部門社長兼CEO(同右)ら(大韓航空提供)

 大韓航空は、1971年にソウル-羽田-ロサンゼルス間の貨物便を、翌1972年にはホノルル経由ロサンゼルス行きの旅客便を開設。現在はデルタ航空(DAL/DL)と太平洋路線でジョイントベンチャー(共同事業)を展開している。

 今回の契約は、米国の航空産業との連携強化を目的とする戦略的投資と位置づけており、GE、プラット・アンド・ホイットニー(PW)、ハミルトン・サンドストランド、ハネウェルなど、航空機器メーカー各社との協力も継続していく。

 ワシントンD.C.で開かれた調印式には、大韓航空を傘下に持つ韓進グループのチョ・ウォンテ会長やボーイングのステファニー・ポープ民間航空機部門社長兼CEO(最高経営責任者)らが出席した。



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